大きな着水音を立てダンゴはまっすぐ沖へ。
直後に浮きが顔を出す。
ロッドを置き、アタリを待とうとクラッチをフリーにしようとした瞬間、早くも浮きが連続で小刻みに動いた。
??
もう何かが当たっているのだろうか?
投げてからまだ10秒と経っていない。
シゲさんに聞くと、早くも魚が寄り出したらしい。
寄るといっても、もともと物凄い密度で魚が入っているのでどこへ投げようが魚だらけ。
寄せるという表現は微妙だ。
しかし、ここで合わせてもダメだ。
早く次のエサを打ち込めという。
ロッドをあおり、ラセンについたダンゴを水中に落とした。
これでいいらしい。とにかく最初の10投ほどはダンゴを投入後すぐに落としてばら撒き、魚の気を集中させるそうだ。
もちろん一点に打ち込んだほうが良いに決まっている。
すぐに次のダンゴを握り、先ほどの着水点へ投げ込んだ。
なんという釣りなのだろうか。まったく忙しい。
今日は適当にぶっ込んで昼寝をする時間があると思っていたが、どうやらルアーより忙しそうだ。
そんなことを10回ほど繰り返した。
もうそろそろ良いはず。
今度はロッドを置き、じっくり構えた。
※もちろんクラッチを切り、いつでも手が届く位置に置く。一瞬の油断がロッドを持って行かれる原因に。実際に池の底はロッドだらけだとか・・・
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小刻みに動いていた浮きがゆっくりと消し込んだ。
1、2、3・・・
初めての釣りゆえに合わせのタイミングがわからない。
まだ浮きは消えたままだ。
シゲさんの顔をみると、大きくうなずいた。
ラインスラッグを取り、全身でアワセを食らわせた瞬間、物凄い重みがロッドに伝わった。
きた〜!!!
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日本で準備をしているときから、「メコンの引きはヤバい」と聞かされていた。
口ではほんまか?!と言ったが、内心たいしたことはないだろうと思っていた。
バス釣りしかしない釣り人は何がかかっても大げさな表現をすることが多い。
いや、それが悪いのではなく、どんなことにも凄い凄いと感動できるうちは良い。
自分のようにあれもこれもと釣り続けていくうちに感覚が麻痺するのだ。
メーター30のシイラやキャッチできていないが大型のアカメ、さらには身長超のバラムツも記憶に新しい。
しかも前日にはアマゾンの怪魚を一日中釣っている。
幸か不幸か、比べる材料がたくさんあるのだ。
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魚はまだ沖だ。
いまのところ、引きはまあまあといったところ。
スピードはないが、とにかく重い。
釣られていることに気付いているのだろうか?そういった感じの引きだ。
しばらくやり取りが続いた。
何度か強引に寄せようとしたが、張り付いたように動かない。
良い表現が見つからないが、「面倒な引き」とでも言うべきか・・・
バラムツは自己記録魚以外は負荷をかければ浮かせられた。
短時間で勝負を決められた釣りだったが、これは少し違う。
特にダッシュをするわけでもなく、ひたすら一定の重みで引き続ける。
それでいてじわじわとドラグが出ているのだ。
このロッドをここまで曲げたのは久しぶりだ。
魚との距離は5mほど。
もう勝負はついたと思った。
しかし、本当の勝負はここから始まった。
人影をみたメコンはやっと釣られたことに気付いたのかここではじめてダッシュした。
沖に走るのかと思いきや、なんと真横へ。
一気に3軒先のコテージに向かって突っ走った。
この釣堀の意図としか思えないのだが、桟橋・コテージともに下は空洞。
中に入られれば出すのはかなり難しい。
ドラグフルロックで止めるも止まらず・・・
オシアジガー、持って来ればよかったなぁ・・・
さらに面倒なことに3軒先のコテージには全身入墨の怖いお兄さん 笑
今度こそマイペンライじゃ済まないかもな〜とあれこれ考えながら引きに耐えていると一瞬魚の頭の向きが変わった。
ここぞとばかりに一気にラインを回収すると、幸い外に出てくれた。
さらに一気に寄せる。
もう先ほどまでの体力はなさそうだ。
これがメコン。デカい・・・
ゆっくりと慎重に魚の向きを変え、シゲさんがネットを差し出す。
3人がかりでコテージに引き上げた。
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ナマズとは異なる尾鰭。この鰭なら引くわな〜
ボディは銀色。
申し訳程度の背鰭はやっぱりナマズ。
ハクレンのようなやけに下についた目。
メコンオオナマズ
Pangasianodon gigas
現地名:プラー・ブック(プラーは魚、ブックは巨大なという意)
両手に抱く。
タックル
ロッド:FishArrow Monster Queen76xxx
リール:ミリオネア BLACKSHEEP250(午後からはミリオネア300に交換)
ライン:VARIVAS Avani jigging10×10MAX ♯6+ナイロンリーダー100lb(FGノットで結束)
仕掛け:タイ製吸い込み仕掛け+ダンゴ
25キロクラス。
アベレージより少し大きいサイズらしい。
重い、ただただ重い。
リリースしてほっと一息ついたとき、釣り上げた喜びが一気に湧きあがってきた。
同時にもうひとつ、あることに気付いた。
Tシャツが粘液で殉職しているではないか・・・ 笑

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