弘美姉ちゃんから電話があり、祖母ちゃんが死んだ後の仏壇の話しだった。剛の兄ちゃんが過去帳は受けるが仏壇は家族全員受け継ぐのを拒否。
「うちが継ぐけど。しやけど剛の兄ちゃんに過去帳は持っていって欲しくは無いな。過去帳も先祖が残したもんもうちが継ぐよ。慶尚北道にも、うち行くしな。祖父ちゃんの親族探すし。剛の兄ちゃん、てて親違うんやし…うちは朝鮮人差別してる剛の兄ちゃんに、過去帳持って行かれるん嫌やな」
すると弘美姉ちゃん意外な発言。
「せやろ…剛の兄ちゃん、てて親違うし…長男言うても…あたしら家族やという実感無いのや。ますみかて、てて親違うし仏壇引き受けるん無理やと言うてたしな。ほんだら、お前引き受けてくれるか?せやな、お前直系やしな」
「うん。祖父ちゃんと祖母ちゃんの供養はうちがする」
弘美姉ちゃんが剛の兄ちゃんに対して感じてる感情は、うちやますみや他の家族と同じものだった。うちやますみはもっと剛の兄ちゃんを遠い人だと思っていて、はっきり言うて
『関係無い人』
とまで思っている。
あの人が家族にコンプレックスがあって避けているのは、よく分かるが。
仏壇に関しては、信仰心も無い家族なので邪魔なだけで。うちも信仰心は無いが先祖の事はちゃんとしておきたいし。
「でもな、祖母ちゃんまだ生きてて元気やん。何で急に仏壇の話しなんか…縁起悪い」
すると弘美姉ちゃん
「いつ、ポックリと逝くか分からんがな、おかんも、わたしも。おかんかて百までは生きんがな」
いやあ…祖母ちゃん、まだまだ死にとうない、言うてたで…。
百までは生きんやろうけど、うちの祖母ちゃんに限って言えば、生きる欲望の塊やから、まだまだお迎えはけえへんかもな。見習いたいもんや。
「わたしは早う死にたいわ。死んだらあの世にみんな居てるやんかあ」
出た。
あの世なんかあるかどうか分からんのに。
「死にたい、死にたい言うけどさ、思わんでも何時か誰でも死ぬやん。それまで待っときいや」
弘美姉ちゃんのネガティブ.シンキング、今聞くんしんどいわ、いやマジで。
「生きてても何もええ事無かったし、生きるんしんどいわ」
そこからあの世で待ってる犬猫の話しを延々とするのだった。
うざい。うち、それどころやない。
「平和やのう」
と一連の話し聞いたおとんのバサリ。
祖母ちゃんは熱を帯びたかの様に、うちの江戸時代まで遡る先祖の話しを、シャーマニックにぶつぶつと語るのだった。

0