6月28日札幌市・共済ホール
国際シンボジュウム
「救おう森のいのち・考えよう森の未来」

「森林管理履歴からさぐる生物多様性」
中静 透氏
(東北大学生命科学研究科教授、ブナ研究の第一人者)
最近10数年で、日本の森林利用方法は大きく変化した。
1、原生的な森林が減少したこと。
2、1種類の林冠木からなる人工林が増加したこと。
3、広葉樹二次林が減少したこと。
4、二次林の定期的な伐採や落ち葉はき、人工林の間伐などの森林管理活動が低下したこと。
それらは、日本の森林の生物多様性に大きな影響を及ぼしている。
その影響には
1、原生的な環境が減少したことによる生物多様性の減少(オーバーユース)
2、二次林の伐採や落ち葉はきの停止などによる攪乱依存種の変化(アンダーユース)という二つの方向がある。
そのことが生態系サービスの低下という形で、逆に人間にも影響をもたらす。地域の文化や象徴とし て貢献してきた生物が絶滅したり、存続が危ぶまれたりという点のほかに、あまり認識されていないこ とだが、樹木の病気の蔓延、野生鳥獣による農作物被害なども、このような森林と生物多様性の変化 に原因があると考えるべきである。
また、里山と呼ばれるような人間が定期的な攪乱を続けてきた環境は、送粉昆虫や農作物の天敵と なる昆虫の生息を確保してきた可能性があり、里山環境の減少による、そうした生態系サービスが失 われつつある。
お読みになりましたらぜひクリックをお願いします。
