先日、『コンスタンティン』を見た。CMが劇場に流れ始めた頃から楽しみにしていたのだが…、むむ、確かに面白い映画ではあるのだが、これって『ゴッド・アーミー/悪の天使』じゃないか。そのまんま。
ネタバレをお断りするが、どちらも天使とか悪魔が出てきて人間を交えて戦う話なんだが、ようは人間に嫉妬した天使が人間に対立するのである。天使は、神の愛が欲しい。『ゴッド・アーミー』との類似点は多々あるが、最も共通しているのはその大筋と、大天使ガブリエルの裏切りにある。最後にルシファーとの取引があったり、聖書に存在しないはずのページがあったり。最後、ガブリエルが受ける罰も同じだし。よくここまで似せたな、と思う。『コンスタンティン』ってもとはアメコミだという話だが、その原作のコミックが既にして『ゴッド・アーミー』だったのか。
『ゴッド・アーミー』は、このすこぶるB級なタイトルが泣かせてくれるが、低予算ながら中身は実に志の高い立派な映画である。「信仰とは何か?」という根本的な問いに答えを求める真面目な映画であるが、そうした部分はさておき、低予算・低技術にも関わらずこのヴィジュアルの美しさ、これは特筆すべき事項である。まず、天使たちが実に美しいのである。そしてその美しさが、一風変わった美しさなのである。つまり、美形の若手を配した『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』のような当たり前の美しさではない。天使を演じるのは、ガブリエルにクリストファー・ウォーケン、シモンにエリック・ストルツ、ルシファーにヴィゴ・モーテンセンである。このオッサン軍団が、見事に妖しく美しい天使となっているのである! これはほとんど事件に近い。

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ウォーケン。受胎告知の大天使ガブリエルである。副題の「悪の天使」とはガブリエルのことで、神に愛されている人間に嫉妬し、人類を滅ぼそうとしているのだ。ウォーケン、ストルツ、モーテンセンと、ちゃんと整った顔立ちの俳優をそろえてはいるのだが、おっさんであることに変わりはない。ストルツやモーテンセンは髭まで生やしているのである。この天使たちの美しさは、仕草に表れている。まずは「天使座り」。何のことはない、ただたんに膝をそろえてちょこんと座っているだけなのだが、どんな時でもこの座り方なのだ。

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「天使座り」。左からウォーケン、ストルツ、モーテンセン。
たったこれだけの演出が、なぜか天使らしい。天使なんて見たこともないのだが。それから、「キス」に「投げキス」と小技をたくさん持っている。手つきも非常に独特。ウォーケンはすぐにペロペロとものを舐めるし、普通に考えれば相当に怪しく気持ち悪いのだが、なぜか美しいんだ、これが。
で、だ。『ゴッド・アーミー』はこうした魅力的な天使たちが戦いを繰り広げるのだが、『コンスタンティン』はどうよ? ガブリエルは女性が演じていることもあってカッコイイのだが、ルシファーは「最も強く美しい天使」というプライドはどこへ行ったのかというぐらいに醜い。というか何というか、全編、知性に欠けているのだよ。
『ゴッド・アーミー』に関しては
簡単な論をHP上に書いてあるので、併せて参照されたい。
『コンスタンティン』、キアヌ・リーブスが実にはまっていて可愛らしい。ちょっとしたダークヒーローで、寝癖で髪がくしゃっとなっていたり、ネクタイの締め方がルーズだったり、意外なことにすごく似合っていた。ヒットすればシリーズ化されるだろう。楽しみだ。レイチェル・ワイズは相変わらず歳をとらない女優だが、『ハムナプトラ』とか『スターリングラード』の頃のぽちゃっとした感じはなくなってしまいました…。残念。