■ 作品を2枚にはがす? ■
極々、希に、ある表具屋が作品を2枚に剥がし、上の方を自分のものにし、下方を表具
に仕立ててお客に渡した。なんていう話を聞いたことがないでしょうか?
まず第一に2枚に剥がすことができるのでしょうか?????
可能性としては・・・画仙紙の中に二層紙というものがあります。
これは通常の画仙紙を2枚に貼り合わせた紙のことです。なぜこのようなことをするの
かというと、通常の画仙紙に書いたときと、表具に仕上げたときの墨や絵の具の色具合
、かすれ具合が変わるから。作品の表情が変わるからなのです。二層紙独特の表情が
できるからというのが大きな理由ではないかと考えています。
しかし、弊害もあります。
この2枚の紙が十分に接着していない場合が多いのです。従って、掛け軸にしたとき
などは、巻かれることによって表と裏側にゆがみが生じます。そのときに「浮き」と呼
ばれる部分が出てくることがあるのです。これは2枚の画仙紙の間が剥がれてしまうこ
とで近い将来に作品が巻くことで折れてしまうのです。浮いてしまった部分は薄い紙に
なるので剥がれていないところ(境目)ところで巻くときに負けてしまう。その結果折
れるのです。
我々表具屋が二層紙の作品を預かるときに最初にする仕事は、2枚に剥がしその間に
薄い糊りを入れ、また、元通りに貼り合わせるのです。そうすることで、掛け軸にした
ときに、「浮き」から作品を守り、傷めることがなくなるのです。
■ 語源のコーナー ■
「十干と十二支」とは・・・
殷代の人々は、干と支とを組み合わせて日次を示すのに用いた。殷代の卜辞は、ほとん
どすべて「甲子に卜す」のように、まず最初に占いをした日付を明示する。また、殷代
の王は、祖甲・帝乙のように、それぞれ生まれた日の甲乙丙・・・を取って称号として
いた。干は全部で10あるので「十干」といい、支は12あるので「十二支」という。
その序列は次のとおりである。
干 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸 ─ ─
支 子 丑 寅 卯 辰 巳 午 未 申 酉 戌 亥
これを上から順次かみあわせると、甲子 ─ 乙丑 ─ 丙寅のように組み合わさり、
61回目に甲子に戻る。つまり合計60の組み合わせが生じるわけである。
現代風にいうと、ローマ字のABCD・・・と10進法の1234・・・を合わせて
、A1、A2、A3・・・B1、B2・・・C1、C2・・・と表記するところであるが
、干支の表記では、甲子、甲丑、甲寅とはせずに、甲子、乙丑、丙寅・・・と組み合わ
せたところが面白い。
そこで、干支を用いて日次を記すと、正月一日甲子から始まり、60日で一巡してま
た甲子に戻る。 (甲子園球場など)
もし年次をかぞえるとすると、60歳めに元に戻るので、それを「還暦」という。
最近は60歳の誕生日のことを「還暦」だという人がいるが、それは勘違いである。
数え年の61歳の正月に還暦を迎えるのであって、誕生日に迎えるわけではない。
干支が自分の生まれた年に還るので、還暦というのである。
※注:数え年の61歳と満60歳は同じではない!
その証拠に、昔は還暦といえば、「赤いちゃんちゃんこ」をプレゼントされたものだ
。なぜちゃんちゃんこかというと、還暦は正月に迎えるものだから寒いのだ。昔は
旧正月なのでなおさらだ。そこで、寒さに負けないで長生きしてねといって、
ちゃんちゃんこを贈られる。けっしてお盆に還暦を迎えたりはしない。満年齢で歳を
数える現代でも還暦ばかりは、正月に迎えることになるのである。
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※「還暦」は生まれた年の干支にもどるということから「赤ちゃんに還る」という
意味合いを付加して、該当者に赤いちゃんちゃんこを贈るそうだが、それが寒い正月に
行われるからこそ、「ちゃんちゃんこ」という発想が生まれるのである。
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■ 漢字のコーナー:「"Hi, Jack!" 」
「ハイジャック」の語源は、おもしろいことに、悪人の挨拶言葉なんだそうです。
犯罪の多いアメリカで、悪人が銃を突き付けてトラックの積荷や人の持ち物などを強奪
する時の決まり文句が「Hi, Jack!」だったことからできた言葉のようです。
「Hi」は「やあ」という挨拶言葉です。「Jack」は、男の名でもありますが、一般的に
男という意味も持ち、見知らぬ男への呼びかけにも使われる言葉です。悪人の言葉で
あることを意識して訳せば、「よお、おっさん」あるいは「よお、にいちゃん」といっ
たところでしょう。
これをそのまま「hijack」という動詞および名詞にしてしまうところがアメリカ人の
茶目っ気というかなんというか。日本語の感覚で言えば、「よおおっさんをやらかす」
とか「よおおっさんをやられる」というようなものです。
日本では、「ハイジャック」という言葉が知られるようになったきっかけが飛行機乗っ
取り事件であったことから、当初からその勘違いがあったようです。そのため、船を
乗っ取る「シージャック」、バスを乗っ取る「バスジャック」、自動車を乗っ取る
「カージャック」などという言葉が次々に作られました。
しかし、英語では、飛行機に限らず、乗り物の乗っ取りはどれも「hijack」なのです。
「seajack」、「busjack」、「carjack」などという語は英語にはありませんし、「jack」という
語に「乗っ取り」の意味はありません。
英語を話す時や書く時にはご注意ください。