一般に、運用会社では、取引相手となる証券会社をトレーダーやファンドマネージャーの個人の一存で決めるのではなく、社内の関係各部門からの評価を総合して決定するようにしています。
例えば、一定期間ごとに、運用部門、トレーディング部門、オペレーション部門やシステム部門等が、それぞれ執行能力、リサーチ能力、事務処理能力やシステム対応能力等の観点から点数を付与し、それらの合計点数によってその期の発注計画(発注先および発注割合)を策定することが多く行われています。
この場合、各部門は運用会社自身にとって都合の良い証券会社に点数を入れるのではなく、利益相反が生じないよう投資家の立場に立って評価することが大事ですね。
しかし、この決定方法も万能ではありません。
なぜなら、執行能力、リサーチ能力、事務処理能力、システム対応能力等から証券会社をあくまでも総合的に評価するものですので、明らかに執行能力の劣る証券会社が取引相手として選定されることはもちろんありませんが、純粋に執行能力だけで順位を付けた場合と比べると、相対的には執行能力が高いとは言えない証券会社にも一定割合の発注がなされることになるからです。
例えば、執行能力だけの評価では20位の評価だった会社が総合順位では5位に入ることもあるでしょう。
もし、売買執行の注文とリサーチの購入を別々の証券会社から行うことができれば、このような状態を相当程度解消することが可能です。
そこで登場するのが海外では既に数年前から実施されているCSA(コミッション・シェアリング・アグリーメント)です。
CSAとは、これまで証券会社に支払っていた売買手数料を、執行手数料とリサーチ手数料に分割し(アンバンドルし)、当該リサーチ手数料の部分については、別途運用会社の指定する第三者のリサーチサービス・プロバイダー(証券会社やリサーチ専門会社)に支払われるようにするアレンジです。
---(2)に続く。---

0