以下、ネタバレします。
さて、話の流れを見ていくと、まず冒頭はいきなりベルトーチカの着艦シーンから。旧3部作のように、前作の復習はしない。てっきりGacktの歌にのって第1部が回想されるものと思っていたのだが、でもまあ、今回の映画の内容には合わんのよ、「メタモルフォーゼ」が。
TV版では無断出撃を繰り返し、困った正義感で暴走しまくる悪名高いカツ。そのカツがアウドムラの望遠鏡でベルトーチカを見つけるとことから映画は始まる。綺麗な空が背景にあって、第1部のラストの雰囲気がちゃんと引き継がれている。で、出迎えに出るカミーユとシャアとアムロ。3人揃い踏みでデッキまで降りるところは感激もの。これだけで泣けます。カミーユが狭い階段の手すりに両手をするするっと滑らせて降りてくるのがまたカッコイイ。というか、何がカッコイイって音楽だよ! 「ゼータのテーマ」を主題にした新曲。第1部の「ヒルダが小鳥になるか」の音楽も相当良かったけど、そっちは完全新曲でしょう。「ゼータのテーマ」はサントラで繰り返し聴いてきた曲だからね。それがすんごいカッコ良過ぎのオーケストレーションされてるんだから、そりゃもう感激だってば。で、そこでタイトル。第1部みたいな派手さは全然なくて、地味と言えば地味なんだけれども、そういう映画だから。
ざっくりとカットが入るのは、『シンデレラ・フォウ』までの多々エピソード。アッシマーはアムロに瞬殺。ブラン少佐はちゃんと「アッシマーがぁ〜」と叫びながら死んでいきます。ロザミアのギャプランも続いてカミーユに簡単に落とされる。ていうかアムロとカミーユ、最強だってば。これには敵わんでしょう。で、シャアはもう宇宙に打ち上げられちゃう。
カツは出撃しない。これはカツの人物造形において大事なことなんだが、2部ではカツは一度もMSには乗らんのよ。ただのパイロット候補生。
エレベーター内でのシャアとアムロの会話はCMの通り。「ララァと会うのが怖いのだろう」云々。ちゃんと『めぐりあい宇宙』の回想もあり。ただ、「君を笑いに来た」がない。でもアムロがちゃんと戦ってますからね。
TV版のイジけたアムロじゃなくて、いきなり超人的な戦いを披露してくれる。ベルトーチカはアムロを奮い立たせるっていうか、アムロの憧れてるお嬢さんって感じだ。アムロの恋人のポストに強引についた感じの積極的な女の子。ほとんど新画で書かれているためか、だいぶ幼く見える。TV版よりずっと好感が持てるけれど、それはアムロがうじうじしてないし、ベルトーチカの困った性格を受け入れているようなゆとりを感じさせるからだ。シャアがすぐにいなくなったことで、ベルトーチカのシャア批判もないし。そういう彼女の勝手な意見というか、ミライの言う「人の心に入り込みすぎる」ことがない。何より、彼女がヒステリックになる場面がことごとくカットされたのがいい。
でもカミーユはやっぱりそんなベルトーチカとアムロを「傷を舐めあってる」と嫌悪してるし、ベルトーチカに「アムロが無理をする」云々の話をふっかけられて機嫌を悪くもしている。合わんのだな、この2人は。似たもの同士は憎み合うから。
で、ばっさりカットされた前座は終わり、結構すぐにホンコン編に。
ていうかですね、言っていいですか。気付いたこと。
ええと…、ロベルトどこ行ったんですか? レコアたちと一緒に宇宙に上がったんですよね? まさか、知らないうちに死んだなんてことはないですよね? 頼む、第3部で出てきてくれ…!
ホンコン編のエピソードはカミーユとフォウだけに絞られていて、ますますアムロの出番がない。カミーユとフォウに絞ったお陰で話はだいぶシンプルになっているし、『Z』という長い物語の中の挿話として見事に収まった。だいたい、TV版のこの辺りってちょっと前後のつながりが希薄でフォウが浮いてんだよ。いい話なんだけど。劇場版では結構説明的なセリフが多くて、フォウがカミーユの車に乗り込むまでが自然なんだ。これがいい。TV版みたいな唐突な登場じゃない。
何よりいいのは、TV版でのこの辺りの作画はひどいんだが、それがほとんど全部新画になったことだ。旧画を残しているのは、北爪や小林の綺麗な絵だけ。だから、ものすごく質が高い。フォウの部分だけを見れば、TV版よりもずっと面白いはずだ。
その分カットされてるのが、アムロがフォウをララァに重ねたりする辺り。だから富野氏が「修学旅行的恋愛」みたいな表現をしてたけど、それってまさにそう。それが「挿話」ということなんだが、フォウとの恋愛っていうのはカミーユのすごく個人的な部分での問題なのだ。
TV版ではフォウの登場時に同時に進行するミライ誘拐のエピソードはカット。当然だ。もともと余計なエピソードの感があっただけにすっきりとまとまった。ただ、ミライはちゃんと出てきてハヤトやアムロと話す辺り旧3部作ファンとしては嬉しい。それがカイの話題だったりするから。

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