今日は練習後、2人の会長と監督を含めた4人で、
来期の契約について話し合った。
こういう話は普通、プロの選手はきちんと決まるまで公表はしないこと何だと思う。
ただオレは別にプロ選手ではないし、
まして今ドイツという外国にいるから、
どんな話し合いをしてるかっていうことを
こういう場所にあえて書こうと思う。
まずその前にちょっと説明。
1シーズンとは7月〜5月。
新シーズンの構想は基本的に4月5月で大体決定し、
6月中にスポンサーと話し合って、7月から練習をスタートさせる。
7月8月が移籍可能期間であるため、
その期間中はまだ新しい選手と契約する可能性がある。
オレの場合もそうであったが、
その期間に掘り出し物の選手を見つけることもあるが、
その場合はたいてい契約内容は良くない。
それは6月までにある程度、
どの選手にいくら払うということを1シーズン分決定していて、
それはつまりチーム自体の運営費ということになるからだ。
オレが今話しているのは
つまりすでに来期の監督のチーム構想に入っているから。
契約とは常にリスクが付き物である。
新聞などでスポーツ選手の契約金や年俸についてを見るとわかるように、
怪我などをしてもスポーツ選手は基本給を貰うことが出来る。
チーム側から見れば、リハビリ中の人間にお金を払うのは意味のないことである。
でも契約前から誰が怪我をするかなんてわからないし、
最初から怪我をしたい選手なんてひとりもいない。
どの選手だって良いプレーをしたいだろうし、
チーム側だって良いプレーをして欲しい。
もちろん選手にはたいてい出来高、
つまり成果報酬というものがある。
それが仕事に対する報酬であって、
それがあるから選手は頑張ってプレーするんだ。
成果報酬に関しては誰が貰うかなんて誰にもわからない。
プレーした人間が、勝利に貢献した人間だけが
手にすることが出来るものだから。
契約とはチーム側にも選手側にも
リスクと報酬が存在するものであると言える。
さてオレの話の戻るが、
40分間、ドイツ語でみっちり話し合ってきた。
会長らの主張としては
今シーズンまでの給料の支払い形態は完全に止める
(良い選手には高い基本給を支払っていた)
基本給は少ない代わりに、出場給・勝利給を多く払う
(試合に出る人間はたくさんお金を受け取れるし、勝利に貢献すればさらにたくさん貰える)
しかし、そんなことはオレには関係ない。
オレは外国人であり、一人で住んでいる。
自分でお金を稼がなくていけない。
そして大学生になる身である。
つまりアルバイトなどをする時間はほとんどないし、
すでに子供のサッカーの指導をしている。
ほかの選手たちとは違う状況なのである。
そんなことをとことん主張。
今の監督の下ではずーっと試合に出れているし、
良いプレーも出来ている。
それに関しては本当に満足しているし、
監督の下には留まりたいという気持ちも大いにある。
監督自身もオレのことを気に入ってくれていて
なんとか自分の下でプレーさせたいと思ってくれている。
自分はもう26歳という年齢で、
20歳そこそこの若い選手ではないということも主張。
前期はほとんど試合に出れなかったが、
それでもいつも練習に来て、
なんとか状況を変えようと努力し続けてた。
ほかの選手は仕事だ何だといって練習に来ないこともしばしば。
それに比べれば遥かに良かったのではないか。
7月の練習参加の頃はとても良かったし、
実際今の監督の下でも良いパフォーマンスを見せている。
それは監督も会長も認めるところなのだ。
しかしこれを踏まえて提示してくる金額にがっかり。。。
今オレは契約のオプションとして車を支給されている。
これに関しても、維持費や保険代はチームが払っているわけで、
その辺も考慮して欲しいという主張を繰り返された。
お金を取るのなら車の支給は止めるとか、
リスクが大きい形式はチーム側としては了承出来ないとか。
オレもここで首を縦に振るわけにはいかない。
現時点でオレには他のチームからオファーが来ている。
それにもしもっとたくさんのお金を稼ごうと思ったら、
探せば下のリーグで高額を払うチームがないわけではない。
事実1年前に8部くらいのチームから高額の話があったし。
もしウチのチームがその程度しか払ってくれないのなら、
ここに残りたいけど、他を探すという手段もあるんだということも強調。
もちろん喧嘩しても話し合いがうまくいくわけない。
でもひとりの外国人として、
これぐらいでいいだろう、とあしらわれるわけにはいかない。
ドイツに渡ってきた頃はこんなにドイツは喋れませんでした。
本当に努力してきたんです。
私はドイツで自分の専門性を大学でもっと高めたいんです。
そのためにドイツに残りたいと思っているし、
そのためには自分で稼ぐ必要があるんです。
このチームに残りたいという思いはもちろんあるし、
監督の下でもプレーはしたいんです。
でも私はウチにいる他の選手とは違うんです。
外国人なんです。私は外国人なんですよ。
私の状況をどうか、もっと理解してください。
ひたすら熱弁。
想像出来るかな。
190cmはあろうかという大きなドイツ人3人に囲まれ、
彼らから受けるプレッシャーの大きさ。
「はい、はい」だけ言ってたら押しつぶされちゃうよww苦笑
もちろん失礼がないように、
でも堂々と構えてしっかりと相手の話を聞き、
自分が話すときは出来るだけリスペクト心を忘れずに、
その上で身振り手振りも付けてしっかり主張したよ。
結局、22:30〜23:10話し続けて、
お互いもう少し考え直してあらためて話し合おうということで今日の話し合いは終わった。
オレとしてはこの今までの活躍をあんまり評価されていないのかなぁっていうのが感じ取れて、正直がっかりだった。
この後の話し合いでどうなるかはわからないけど、
気持ちは少しチームから離れた、というのが正直な感想かな。
この続きは、またおいおい報告するんで
まあゆっくり動向を見守ってて欲しい。
実際こんなこと書くのってどうかなって感じだけど、
まあ読む方は面白いのかな?ww
まあお楽しみにって感じです☆
ちなみに実は話し合いの途中で
なんか急に可笑しく思えてきたんだよね。
オレ、随分えらくなったなぁってww笑
2年前の今頃、初めて入ったチームの監督と話すために、
知り合いの方に通訳のために何度か来て貰った。
横に座って聞いてたけど、何も分かんなかった。
脳みそにも何も入ってこなかった。
耳にもなーんにも入ってこなかったよww苦笑
それが今じゃあ、相手の主張に「ノー」と言い、
自分の言いたいことを言って、「どうか理解してくれ!」って。
あーでもないこーでもないって。
会長の言うことが分かるなぁって。
「会長の立場も分かります。そしてあなたがどう考えているかも分かります。でもどうか私の状況をもっと考えてください」
こんなこと言う自分に正直感心したww
ホント、成長したんだね笑
でもね、結局最後は“ケセラケラ”。
精一杯話し合って、誠意持って交渉して出た結果なら、
残留にしても、移籍にしても、納得だよ。
それが現時点のオレの能力に対する評価なんだ。
それがサッカーに実力に対する評価なのか、
はたまたドイツ語か交渉能力なのか分からないけど、
ベストを尽くした結果ならそれでOKでしょ。
最後に、、、今日、母からメールを貰った。
サッカー出来て充実してるようだね
って。
はは、確かにそうかも。。笑
あぁ、オレの人生ってホント面白れぇなぁ。。。
頑張るときはいつも今。

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