
(辻村深月さん著、光文社)
**********
<僕なりの評価>
♪ ♪ ♪ (音譜3つ、辻村さん大好き)
<コメント>
思春期の締めつけられるような胸の内、懐かしく思い出す。
**********
友人関係の難しさ、勉強と部活の両立、親との距離…。振り返れば思春期の中でもほんの一時期のことなのに、暗澹な日々が来ては去る、そんな繰り返しが永遠のものに思えたあの頃。思い出すだけで息苦しくなるのは、決して僕だけじゃないはずだ。
鬱屈した感情に悩まされ、逆に刃のような攻撃性を表にさらけ出すこともある。多くの10代は、そんな中途半端に成熟してしまった心と体を以って、より大きな社会への扉をひとつずつ開けていかなければならない。
特に中学時代だろうか、向き合わなければならない現実との葛藤は激しいものとなる。オトナともコドモとも言えない挟間の数年、そのときの心の内側を描かせたならば、辻村さんは正に随一の作家と言えるだろう。
そんな青春時代を、懐かしく思い出せるまで、僕は大人になった。
友人のひとり、教室で僕の後ろに座っていた彼が、苦悩の中で電車に飛び込んだのはもう20年以上も前のことだ。
三つの短編集。甘く切ないストーリーの傍らにある、上に書いたような現実の方が僕には強く突き刺さる。
辻村さんお得意の技もちらほらと…。シンプルに読めば二本目がイイのだろうが、分かる人にとっては三本目なのでしょう。僕はよく分かってませんでした…(涙)、まだまだ読解力不足ですね。
それより表紙をなんとかしてほしい。電車で読めない(笑)。

1