「魂のインノセンチェ〜パンズ・ラビリンスを観て〜」
映画
久しぶりに、素晴らしい映画を観た。
妻と娘が「絶対いいから、観てよ〜!!」というので、今朝4時半から起きて観たんだけど、眠気覚ましのコーヒーを飲むのを忘れるほどの、圧倒的な映像と多層的な内容を含んだ映画だった。
それは、大人へと変わりつつある思春期の少女の物語であり、現在も続いている戦争と暴力の物語であり、宗教もしくは救済とはなんであるかを問いかける物語でもあった。(あらすじ等はコチラ→
http://www.panslabyrinth.jp/ )
1944年のスペイン内戦を舞台に繰り広げられる残虐と悲劇。その中で少女オフェリアは、幻想の中にしか生きるすべがなかった。妖精の導きによって牧神パンの住むラビリンスに入り込んでしまう、オフェリア。しかしそれは果たして彼女の作り出した幻だったのか?彼女の肉体は義父となった大尉に殺されてしまうけれども、その無垢な魂は、死ぬことによって、救済されることになる。(それもまた幻想であるのだろうか?)
人は幸せを追い求め、文明を進化させ、高度な科学技術を発展させた。けれどもその結果、地球環境問題や新たな貧困、格差、抑圧を生み出している。まさにこの地球社会こそがラビリンスに他ならない。そんな複雑に絡み合ったラビリンスの中で、オフェリアのように殺されることなしに、救済される方法はないのだろうか?人類はそれほど愚かなのだろうか…?
観終わったころ、夜が明けて窓の外が明るくなってきた。そんな様々な想いが湧き上がってきたけれど、なぜか心はスッキリとしている。冷めたコーヒーをすすっていたら、“魂のインノセンチェ(無垢さ、純粋さ)”という言葉がふと込み上げて来た。(了)