「『シャーロック・ホームズ傑作選』 コナン・ドイル」
■読書
久しぶりに古典物のミステリーを読みたくなり、
「コナン・ドイル」の
『シャーロック・ホームズ傑作選』を読みました。
「シャーロック・ホームズ」モノは、2007年12月に読んだ
『シャーロック・ホームズの事件簿』以来なので、ほぼ3年半振りですね。
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ミステリー界のスーパースター、
「シャーロック・ホームズ」。
ロンドンを舞台に鮮やかな推理力と機敏な行動力で難事件を次々と解決する。
赤毛の男を募集する、という新聞広告の謎を追う
『赤毛連盟』、自ら生命の危険をおかし、真相に迫る
『まだらの紐』など、6つの怪事件に挑む名探偵
「シャーロック・ホームズ」の大冒険。
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収録されているのは、以下の6編。
■ボヘミア王家のスキャンダル
■赤毛連盟
■花婿の正体
■五つぶのオレンジの種
■ゆがんだ唇の男
■まだらの紐
多分… 子どもの頃に読んだことのある物語もあったと思うけど、ほとんど覚えていなくて新鮮な感じで読めました。
≪以下、ちょっとネタバレありです≫
『ボヘミア王家のスキャンダル』と
『五つぶのオレンジの種』は
「ホームズ」の失敗談。
『ボヘミア王家のスキャンダル』は
「アイリーン・アドラー」という女性に出し抜かれ、
「アイリーン・アドラー」は
「ホームズ」が唯一?尊敬する女性となったようです。
結果的に依頼人は満足してくれたので、
「ホームズ」的には敗戦でも結果オーライというところでしょうか。
『五つぶのオレンジの種』は依頼人を救うことができなかった(結果的に犯人は懲らしめたようですが)んですから、
「ホームズ」も万能ではないということですね。
まぁ、
「ホームズ」が完璧な探偵かと言うと、そんな感じじゃないですよねぇ。
巻末で作家の
「高橋克彦」が
「ホームズ」のことを
「理想的な探偵像からもっとも離れている位置にいる人物」と評していますが、まさにその通りで、、、
・好奇心だけは人一倍
・極端な人嫌い
・コカイン(麻薬)とタバコの愛好者でしばしば幻覚に悩まされる
・変質的な変装好きなうえに自信過剰
・鼻持ちならない貴族趣味をひけらかす
・謝礼をキチンと要求
・唯一の理解者である
「ワトスン」を無能と嘲笑い、顎で使いまわす
等々、身近にいると嫌なヤツですよねぇ。
ですから、失敗談があっても、それはそれで
「ホームズ」の魅力になってイイ感じがしますね。
定番ですが、イチバン面白かったのは
『赤毛連盟』かな。
店主をうまく誘い出し、その間に地下で淡々と強盗の準備を… なかなか良くできた作品だと思います。
『花婿の正体』と
『ゆがんだ唇の男』は変装ネタ。
『花婿の正体』は若い義父が変装して義理の娘をたぶらかし、
『ゆがんだ唇の男』は失踪し夫がホームレスに変装して大儲け… いずれも、途中で先が読めちゃったかな。
『まだらの紐』の殺害手段は沼毒蛇… ちょっと非現実的な感じがして、ちょっと残念。
全体的には、まずまずでしたかね。
でも、19世紀後半のロンドン ベーカー街に現実逃避できて、愉しい時間でした。
作者の
「コナン・ドイル」です。

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