今年の大河ドラマである平清盛の
視聴率が上がっていないようです。
昨今の歴史ブームを考えれば何故?
という感じですが、清盛入道はいわゆる
戦国時代の武将のようなヒーロー性や
カリスマ性とは違うし、平安時代という
時代背景も昨今の戦国や幕末という魅力的な
人物が次から次へと出てきた時代とは違います。
確かに若い歴女の皆さんが大好きな
前髪ひらりとして切れ長の瞳を持ったマンガに
なっている真田幸村と同様のキャラにはなりにくいです。
しかも、平安末期最大のヒーローである
源義経や頼朝から見れば敵役でもあり
はっきし言って時代の悪役です。
でもね・・・
私は平清盛が好きなんですよ。
彼の為しえた事は日本史上において
ある意味で最大の革命的事実です。
彼が太政大臣に登り詰めた事によって
この世に初めて武家政権が誕生し、
実質それは明治維新までおよそ700年以上
日本を支配する日本史上最長の社会形態が
現出するのです。
藤原氏の摂関政治とそれに続く親政、院政が
世の中を支配していた社会で
清盛入道が武力と経済力を背景に
これを打ち壊し、頂点に上り詰めた事実は
その時代背景を考えると、とてつもなく
凄まじい出来事で、その後の世に
明治維新までに様々な英雄や傑物が
生まれてきたとしても、それはやはり武士や武家内の
事であり清盛が築いた武家政権の土壌の下での
出来事であるという見方も出来るし、
日本人の精神的な拠り所の一つである武士道精神と
いうのも清盛が打ち立てた事実の元に成り立って
いるのです。
勿論、武力のあるものが強い力を得るというのは
どの世であっても歴史の必然ではありますが
朝廷そのものが存在し続けながら、武家政権を築き、
朝廷を頂きながら、この世を実効支配するという
日本独自の歴史形態も清盛の出世が
基本になっているという事実も見逃せません。
ただね・・・
あのドラマの入り方はちょっとどうかな〜って
思う事も多々あります。
少し現代に受け入れられるような形にし過ぎてる
感じがするのですね〜。
どうせならジェームス三木さんの脚本手法のように
史実や時代背景を忠実にしたドラマ作りをすれば
良かったのにとも思うのです。
清盛が白河院の落胤であるというのは
あくまでも噂であり事実かどうかは定かでありません。
しかも、歴史においては父である忠盛が
九州の荘園拡大に伴って日宋貿易に介入し始めて
その利益を院に献上しながら、ドラマでは松田聖子が
演じている白拍子であった祇園女御と白河院の間に
生まれた子を引き取って育てた事によって
院の庇護を受けて平家政権の基盤を作ったと言われています。
私も数々の清盛書籍を読んでいますが、このドラマに
出てくる舞子なる女人は見た事がなく、しかも
完全に院の落胤として断定しているものはなく、
やはり、清盛は平家の嫡流の血を受け継いだ生粋の武家であると
されているのです。
何だかね〜・・・
いきなり何だか解らない白拍子と白河院との落胤として
始まると平清盛という存在自体にブレが出てくると思うのですよ。
確かに頂点に上り詰める為に清盛自体は相当強引な
手法を使います。しかも政権を取った後は禿童という
秘密警察組織を作って徹底的に平家に反対する勢力や民人を
弾圧し、圧倒的な武力と財力を背景に白河院など目じゃない位の
徹底的な専制政治を行い、後白河法皇を幽閉し、
自らの孫である幼い安徳天皇を擁立し、遂には自らが築いた
福原遷都まで行います。
もしかして相国入道となるそういう暴政振りを行う背景には
清盛自身に白河院の血が流れているという事を
一つのテーマにしていると思うのですが
武家が政権を取るという清盛最大の功績を表現する上において
ブレが出てくると思うのですよ。
それとね、やっぱりあの時代の元服した男子が烏帽子を
取り去った姿というのはあり得ないし、無頼であろうが
なんだろうがそのあたりの表現はキチっと描いて欲しいのです。
更に言えば、歴史ドラマというのはやはり現代劇とは違う訳で
それに関しては昨今数々の若手が主役を演じていて
全般に感じる事なんですが、歌舞伎や狂言、嘗ての名優達の
作品をよく見て、勉強して欲しいのですね。
マツケン君は演技力のある素晴らしい俳優ですが
目線とか瞬きの感じとかでふと平安時代の清盛で
なくなる感じがまだ見えてしまうというのが印象です。
まだまだ一生懸命演じているという所でしょうか?
勿論、大河ドラマは1年かけて俳優がその人物になるという
所も見所ですので大きな楽しみであり、期待しています。
ただね、設定が今回もジュチと同じような感じになっているのが
皮肉と言えば皮肉です。
松田聖子は良いですね〜。祇園女御という役どころ!
あのお方はそろそろこういう大所路線でいくべきなんじゃないかなと
思っていたので今回ぴったしきてると思います。
ただ中井貴一と一緒にいると私はそうしても
「プルメリアの伝説」を思い出してしまいますが・・・(笑)
あの頃は一瞬噂になったので、今回の共演はある意味で
エポックメイキングなんですが全く話題にならないのが
寂しい所ではあります(笑)
ワイハーの2世が女御になり、イケメンウインドサーファーが
平忠盛になっている所が感慨深いです(笑)
頼朝が振り返りでナレーションという設定は
ちょっと痛い所ですが杏が北条政子というのは認めます。
杏さんは最近何でもやる父譲りの役者魂を発揮しまくってますね。
ベラなんかはアニメと全く一緒でした(笑)
このドラマで一番感激なのがオープニングです。
最近は現代的な路線でしたが、今回は嘗ての
重厚な大河の伝統を踏襲した作りになっていると思います。
何と言っても私の神の一人であるキース・エマーソンが
音楽作っているのが素晴らしい!
あのオープニングテーマは私の中で
「花神」と「花の乱」に匹敵する
名作だと思います。
とにもかくにも(笑)
この時代に平清盛が注目されるのは嬉しいです。
圧倒的な事をやる人、やれる傑物を求めている
現代日本において良くも悪くもあれだけ
世の中を変えて、更には後の世の礎を築いた
英雄であり姦雄である相国入道平清盛のような人物を
描く事に意味があると思います。
まあ、ある意味独裁ですよ!独裁!
(笑)
黒髪ダンナ

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