国松俊英「おかしな金曜日」
絵:大古尅己(おおふるかつみ)
出版:偕成社(子供の文学),1978年.
昔むかしに読んだ児童文学なのですが,宮部みゆきの「ステップファーザー・ステップ」を読んで,読みかえしてみたくなったので図書館で借りてきました.
読み返していると,父親のことなど,いろいろな記憶違いがあったことがわかったのですが,いちばん意外だったのは,かなりシビアな物語だったことです.
父親が一年前に蒸発していて,母親はなんとかがんばっていたけれども,突然すべてを投げ出し,男の人と一緒に逃げてしまう.
残された兄弟は,母親がいないことを隠して,自分たちだけでやっていこうとするが,とうとう限界がきて,一ヵ月後,隣町の児童相談所をめざす.
家に帰ってみるとお菓子が机に山積になっているという状況が,なんだかとても悲しく感じました.そのときの母親の心理状態はどうだったんだろうと思います.多分何もかも嫌になっていたんだろうなあ.
残された兄弟は,両親に対する不満をほとんど洩らさず,とにかく一生懸命,助け合って生きていきます.誰にも知られないように一生懸命気を使っていましたが,そんな必要ないのに,と言ってあげたくなりました.
たった一度会っただけの人を信用して,わざわざ児童相談所まで出向いていく必要があったのかは正直疑問です.先生に相談しても,結局は同じことになったと思うので.
でも,ふたりにとっては,それが新しい旅立ちとして必要な儀式だったのかも・・・とも思います.

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