C.S.ルイス「カスピアン王子のつのぶえ」訳:瀬田貞二
さし絵:ポーリン・ベインズ
出版:岩波書店、1966年
原題:C.S.Lewis : Prince Caspian, 1951
「ライオンと魔女」に続く、ナルニア第二弾です。
四人きょうだいは、こちらの世界ではただの子供たちですが、ナルニアでは、英雄王、やさしのきみ、正義王、たのもしのきみ、と呼ばれる立派な王たちです。
「ライオンと魔女」では助けを呼ぶ側として角笛を吹き鳴らしましたが、今度は彼らが呼ばれる立場です。かなり強引に呼び戻された四人は、宮殿の廃墟を見つけ愕然とします。
あれからナルニアには長い時が流れ、魔法の生き物は減り、テルマール人という人間が国をおさめています。カスピアンは、魔法にあふれる昔を想う心優しい王子ですが、叔父に命を狙われています。やっぱり結構シビアな物語です。
子供たちは、食べ物がリンゴしかないので、クマをさばいて食べたりします。
すごいです。
四人が見知ったひとびとはナルニアにはもういません。精霊たちは永い眠りに落ち、ビーバーなどは種族ごと滅んでいるようです。
でも、アスランを助けたおかげで言葉を得たネズミ族など、過去の名残は残っています。ビーバーダムも残っていますし。
見開きに地図が載っています。ケア・パラベルは島となり、石舞台はアスラン塚と名を変え、川は険しい渓谷となり・・・昔とどのくらい地形が変わっているのか気になるところですが、残念ながら昔の地図はありません。というか、「ライオンと魔女」にはそもそも地名があまり出てきていなかったように思います。
四人きょうだいは永久にナルニアの王ではありますが、彼らの時代はすでに過ぎ去り、平和が戻るとあっけないほどあっさりと帰ってしまいます。
しかもナルニアには年齢制限があるらしく、ピーターとスーザンの冒険はこれで終わり。もっとも、巻頭についている全巻の紹介文を読む限りでは、「さいごの戦い」にはピーターも加わるようですが。
表紙絵は妖精と踊るルーシィ、裏表紙にはウサギ、口絵も妖精と踊るルーシィです。

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