GoAhead & Co.(ゴー・アヘッド・エ・コー)「今週、妻が浮気します」
装幀:吉田悟美一+山影麻奈 (EOS Co.,Ltd)
出版:中央公論新社、2005年
著者名は、「GoAheadとその仲間たち」。インターネットの質問掲示板に寄せられた、GoAheadなる人物の相談と、それに応じた人々のことです。同掲示板で今でも読めます。
OKWaveの当該質問
「電車男」と同じ、ネット上の文字だけのコミュニケーションです。「2ちゃんねる」よりはだいぶお行儀のよい質問サイトですが。
「電車男」は、だいぶ取捨選択しなければ出版できるようなものは作れなかったようですが、この小説の場合はそんなことはなかったと思います。管理人が発言を監督していますし、発言者もペンネームとはいえ、たいていは名前がついていますから、いちおうどれが誰の発言かを追っていくこともできます。
2004年の1月28日から2月12日。わずか二週間ばかりのあいだに、100を超える膨大な量の「回答」が寄せられます。そしてそのそれぞれに丁寧にお礼を述べるGoAhead氏。
質問サイトって、「聞きっぱなし」がわりと多いんですよね。お礼も何もなしで、解決したのかどうかも、質問者が見ているかどうかすらわからない。
おざなりにお礼はするけれど、さらに質問を何度も重ねて、結局回答者も嫌気がさして逃げちゃうってこともある。
ひどいのになると、質問者が、「こんなのは求めていた答えじゃない」と逆ギレすることさえあります。
もしGoAhead氏がそんな質問者だったら、同じ回答者でも、答えはまったく違っていたでしょう。荒れまくって、とっくに削除されていたかも。
実際、回答者のなかに、よそで見たような名前がちらほら見えるのですが、発言の口調というか文調というか、ほかとまったく違いますもの。
真摯な質問者に対しては、回答者も真摯に答えます。それは現実社会と同じこと。現実社会で、なにかを教えてもらって、その返答が気にくわないからと怒るなんてありえないですよね。そこのところを忘れないようにしたいものです。
できすぎとも思えるハッピーエンド、こんなのが本当にあるんだ・・・と、おとぎ話より素敵な現実をみんな求めているのかもしれません。

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