浅田次郎「薔薇盗人(ばらぬすびと)」
装画:小山利枝子
出版:新潮社、2000年
あじさい心中 「小説新潮」1999.8
死に賃 「小説新潮」1997.7
奈落 「小説新潮」1998.12
佳人 「小説新潮」1998.1
ひなまつり 「小説新潮」1998.4
薔薇盗人 「小説新潮」1999.12
いろんなタイプの話が集まった短編集です。
「あじさい心中」「死に賃」あたりは、
先日読んだ短編集同様、「過去から解き放たれる」という話。解き放たれ方はずいぶん違いますが。結局あれは詐欺だったんだろうか、本当だったんだろうか。
「奈落」はひじょうにコワい話です。事故死した社員像が語り手によってどんどん変わっていき、ついには・・・。
「佳人」はコミカルなストーリーですが、「奈落」と同じ苗字の人が登場するのは偶然でしょうか。偶然でしょうね。
「ひなまつり」は、東京オリンピックの頃の、貧しい母子家庭と優しい青年の話。とても暖かい話です。しかし、テレビって当時のお金で六万以上したのね。今でいうと60万くらいでしょうか。
タイトル作の「薔薇盗人」も、考えようによってはけっこうコワい。は、遠洋航海中の父親にあてられた手紙で構成されているのですが、書いている本人が全く気づかぬままにある罪を告発してしまうという・・・

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