2009/8/11
軍記ー18 戦記
先にもいるかも知れない。
歩速をゆるめ、小声で渡辺兵曹を呼んでみる。
答はない。
大丈夫だろう、経験豊かな彼のことだから。
三つ目の川の手前で靴を脱ぐ。
敵さん、約束通りに撃ってくれよ、さっきの二の舞はごめんだよとあたりに気を配りながら静かに渡る。
後方でまた銃撃である。
砲撃も始まっている。
頭の上を、ヒュンヒュンと弾が飛んでいく。
我々は、敵が撃ってくる方へ向かっているのである。
何と変なことか、これでも退却である。
敵さん両方から撃っているのである。
やっとのことで林の中に入ることが出来た。
「ホッ」とした。
渡辺兵曹の事が気になるが、もう少し奥へ入ろうと三十分ばかり歩いた。
やっと一服できる。
靴下をとりかえる。
何のことはない、足首から下はいつのまにかすりきれてしまっている。
一時間ほど待った。
渡辺兵曹は来ない。
先に行ってしまったのかな。
それとも、別の道を行ったのか。
急に腹がへってしまったが、飯を食う気になれない。
二時間ほど歩いた。
夜が明けた。
雨模様である。
ポツリポツリと来た。
合羽を着る。
空一面が、真っ黒になる。
大粒の雨が滝のように降り出した。
雷がある。
危険なので、道の真ん中を歩く。
更に一時間程歩いたところ「中村、中村。」と呼ぶ声がする。
3
歩速をゆるめ、小声で渡辺兵曹を呼んでみる。
答はない。
大丈夫だろう、経験豊かな彼のことだから。
三つ目の川の手前で靴を脱ぐ。
敵さん、約束通りに撃ってくれよ、さっきの二の舞はごめんだよとあたりに気を配りながら静かに渡る。
後方でまた銃撃である。
砲撃も始まっている。
頭の上を、ヒュンヒュンと弾が飛んでいく。
我々は、敵が撃ってくる方へ向かっているのである。
何と変なことか、これでも退却である。
敵さん両方から撃っているのである。
やっとのことで林の中に入ることが出来た。
「ホッ」とした。
渡辺兵曹の事が気になるが、もう少し奥へ入ろうと三十分ばかり歩いた。
やっと一服できる。
靴下をとりかえる。
何のことはない、足首から下はいつのまにかすりきれてしまっている。
一時間ほど待った。
渡辺兵曹は来ない。
先に行ってしまったのかな。
それとも、別の道を行ったのか。
急に腹がへってしまったが、飯を食う気になれない。
二時間ほど歩いた。
夜が明けた。
雨模様である。
ポツリポツリと来た。
合羽を着る。
空一面が、真っ黒になる。
大粒の雨が滝のように降り出した。
雷がある。
危険なので、道の真ん中を歩く。
更に一時間程歩いたところ「中村、中村。」と呼ぶ声がする。
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