お釈迦様はお生まれになって直ぐに
「天上天下、唯我独尊(てんじょうてんげ、ゆいがどくそん)」と
おっしゃったと言われています。
「天上天下」とは生きとし生けるもの全てが存在する全世界、
時間的、空間的な全世界、つまり「いつでも、どこでも」の世界観です。
では「唯我独尊」とはどいいう意味でしょうか?
「我レハ唯、独リ尊イ」と「世の中で自分ほど尊いものはない」という
うぬぼれを示すような解釈がありますが、そうではありません。
お釈迦様が言わんとしていることは
「我々ハ唯、独リ独リガ尊イ」ということです。
「生きとし生けるもの全ての、一つ一つのいのちが尊い」と教えてくれているのです。
そしてそれは、既にこの世との縁が尽きたもの、あるいは今からこの世との縁を結ぼうとしているもの全てを含め
「自他不二」(自身と他は二つにあらず)の仏心を示しています。
また、お釈迦様は「天上天下、唯我独尊」とおっしゃる前に
「七歩」歩いたと言われています。
では、なぜ歩いた歩数が「七」なのでしょうか?
仏教では「六道」というものが説かれています。
【地獄】他を裁き、いじめ、憎む世界
【餓鬼】欲しい欲しいと常に飢え、不平不満だらけの世界
【畜生】他を見下し、恩を知らない世界
【修羅】一生懸命になり他の事が見えず、争いの絶えない世界
【人間】生老病死の苦しみから逃れない世界
【天上】いつか再び苦しみの世界に墜ちていくのではないかと苦しむ世界
私たちは人間の姿をしていますが、自らの心のうちをよく探ってみると
ある瞬間瞬間で、この六道を行ったり来たりしているのではないでしょうか。
「六道輪廻」とは死んだ後の生まれ変わりのことを指すのではなく
今生きている私たちの有様を指しているのです。
お釈迦様が生まれてすぐに「七歩」歩いたということは
この「六道」を超えた存在、つまり、「浄土」(真実の世界)を表しているのです。
ですから、仏教では「七」と言う数字を大切にします。

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