否決時の影響語られず〜競馬組合330億円融資議案
(3月10日付け岩手日日新聞)
先日、岩手競馬の現状に関するエントリーを載せたが、その岩手の地元紙で信じられない記事が出た。
「廃止時の影響への議論が不足している」とのことだが、岩手競馬の大赤字も存廃論も去年の9月どころか、最初に出たのは遙か昔のような気がするのだが・・・
前回書いたとおり、今回融資案が可決しなければ資金がショートするため競馬の存続は物理的に不可能だ。
赤字で手に負えない上、費用対効果も望めないから廃止、という判断を岩手で行うならそれでもいいのだが、議会で、何も検証していない、というのが事実であるならば、それはいくら何でも無責任だろう。
ぱっと思いつくだけでも、
1 岩手県競馬組合が示している「372億円の公金支出、2500人(馬主を除くと1800人)の雇用問題、年間100億円の直接的経済効果の損失」というのが正しいのかどうか、また、廃止した時の対策をどう立てるのか
2 競馬を維持したとしての収支の見通し(競馬組合のデータは信用できない=これまで結果を出していない)
このあたりをきちんと検証しなければならないし、今までやる機会はいくらでもあった。にもかかわらず、
(引用はじめ)
県議間にも「廃止時の影響への議論が不足している」との声もある
(引用終わり)
(岩手日日新聞より)
とは今まで何をやってきたのか?
(引用はじめ)
「ここまで放置してきた知事の責任が一番重い」「どうせやめる知事。議会にさじを投げた」と、会派を問わずトップの知事に対する風当たりも強い。「知事が本気になって頭を下げ退職金も返上するぐらいでないと、県民は納得しない。今のままでは賛成できない」
(引用終わり)
(岩手日日新聞より)
勿論、責任者としての岩手県知事の責任が重いのはわかるが、予算を通してきたのは議会。当然議会も責任を取るべきだろう。自己防衛と取られても仕方あるまい。
このあたりの影響は廃止寄りと言われる柳村氏の公約にも見られる。
2年で競馬組合廃止、柳村氏が知事選公約集
(3月9日付け岩手日報)
結局、いきなり廃止では混乱するから、2年間という期間を持って、その間に再就職支援など必要な支援を講じていくということな訳だ。
だからといって競馬存続側を擁護する気はない。何せ、資産を切り売ることで根本的解決を怠ってきたことは厳然たる事実だからだ。危機は前から叫ばれ、「岩手は地方競馬の砦」とも言われてきた。にもかかわらず、抜本的対策を打てず、このような事態になった責任は競馬関係者サイドにもある。従って、各方面に重大な影響を及ぼしても廃止すべきと判断された場合、反対運動に対して県民の支持を得られるのか、微妙なところである。
「みちのく岩手競馬を守る県民の会」の照井省三事務局長は「千八百人もの雇用をどう保証していくか、議員は考えているのか。これまで追認してきた議会も廃止時は責任を取るべきだ」と厳しく指摘。「三百三十億円は生きた金になるが、廃止時には死んだ公金(三百七十二億円)を投入することを、県民に分かってほしい」と主張する。
(岩手日日新聞より)
うーん、何を言っているんでしょうねえ・・・「330億円が生きた金になる」なんていう保証は全くありません。最終的に生きた金になるか、死ぬかは来年度以降の競馬運営で決まることになります。下手をすれば、330億円以上死ぬ可能性だってあるわけです。そこのところをはっきりさせ、きちんと競馬組合側が己を律しない限り、問題の先送りということで批判されるだけということになるのでしょう。
タイムリミットまで残り僅か。まずは第1段階を突破するのか?現材料から見れば今後の競馬の存廃の方向性は知事選や県議選の結果、来年の収支均衡の達成の可否に委ねるとしても少なくともその前提条件は通すのが本来の姿であろう。とりあえず融資で決着させ、来年度以降縮小させていき、収支均衡が達成できなければ廃止(あるいは選挙による廃止派の勝利による廃止)という形になることを切にやまない。

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