昔の友には優しくて
変わらぬ友と信じ込み
あれこれ仕事もあるくせに
酒場の隅に置いていく
こんな詩が、よく書けると思う
変わらぬ友と信じ込みなんて、なかなか言えるもんじゃない
だけど、誰もが心の底で思っていること
でも、恥ずかしくて口には出せないこと
阿久悠は、それを何のためらいもなく詩に乗せる
いや、少し躊躇して書いた後が垣間見れるのがまた、人間くさいじゃあないか
僕の心にぽっかりと空いた穴を、素直になれない僕の代わりに阿久悠の詩が埋めてくれた
難しい言葉も、難解な表現も何ひとつ使わずに
ただまっすぐ、しかし柔らかなありふれた言葉で
僕を号泣させた
悔しいのは
阿久悠みの詩なんか、僕でも書ける気になってしまうこと
しかし、書けないこと
彼がこの世からいなくなっても、僕の心は不定期に穴をあける
ずほずぼと、なんとも情けなく穴をあけて、萎れている
そんなとき、彼が綴った明快な言葉が、これからも僕を救ってくれることだろう
書き主を亡くしても、さらに輝きを増して生き続ける言葉が