以下転載しますのは、私の友人、仲間、そして先輩である 亜細亜大学テニス部監督の堀内昌一氏の学生に向けてのコラムです、ジュニアの選手に、又その親御さんに見て頂けたらと思います。
スポーツには審判が必要だが、テニスには選手自身が審判を行う制度がある。
これを「セルフジャッジ」と呼ぶ。世界ツアーの下部大会、国内公式戦やジュニア大会でも行われているポピュラーな制度だ。
時速200kmのサービス、ライン際に落ちるストロークも、互いに自分のいるコートを判定し、試合を進めなくてはならない。実に審判不在で試合する事が多いのだ。
テニスは、自分のエース以外に相手がミスしても得点になる。それをセルフジャッジで行えばボールが「入った」「入っていない」を、自分に有利に行う事ができてしまう。にも関わらず、テニスがセルフジャッジを続ける理由は何だろう。
ルールブックには「疑わしい場合はセーフ」。確信ある判定以外はアウトとは言えない。だから、勝ちたい一心から自分に有利に判定したい心情があっても、それはできない。そこが肝心なのである。
スポーツは相手を尊重して初めてプレーが成立する。セルフジャッジは、自身の正しさが鍛えられる制度なのだ。
又テニスは試合中に誰からもアドバイスを受ける事ができないルールもある。すなわち、プレーも判定も全て自身の選択、判断で行い、強く自立が求められる。
テニスコートの「court」は「宮廷」「法廷」、室内の「サプリームコート」は「最高裁」も意味する。よってテニスプレーヤーは実は「法廷」で己の正しさを試されていたのである。
錦織圭は13歳で単身渡米し、全てを自分で選び、責任を負って行動してきた。
“ガリバー”たちと戦い、勝つ方法を考え、フェアプレーに徹してきた。そんな彼だから、今とても誇らしい。
目標を達成する為には、選択の正しさとそれに伴う行動が必要になる。何を選ぶかは大切だが、何を選ばないかもとても必要だ。
その意味を皆さんにはこれから時間をかけて考えて欲しい。
特に新入生は、新しい環境で未知の課題と向き合う事になる。その時、誠実に向き合い、正しい選択をして乗り越えていく力をつけて欲しい。
全てはセルフジャッジを鍛える機会だ。
(堀内昌一)

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投稿者: 野口剛路NumberOneTennisAcademy
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