シネマヴェーラ渋谷「渋谷実のおかしな世界」1000円
「気違い部落」
1957年、監督:渋谷実、脚本:菊島隆三、松竹、134分、白黒。
冒頭、ナレーションの森繁久弥が
姿を現す。高速道路が無く、都電が走る日本橋が見えるクレジットは最高。
タイトルから放送、ソフト化は不可能とされているが、中身は山村に起こるよくある争い事。
火事と葬式以外の村八分、娘の肺病治療のために買った薬を少し良くなったからと別な部落に売り、娘が治らず死亡した父親の伊藤雄之助の心情。その薬を安く斡旋した駐在の伴淳三郎の罪の意識。
伊藤雄之助の嫁を淡島千景、肺病になる娘を水野久美は役設定は19歳だがまだ子供。
「夜ごとの夢」
1933年、監督:成瀬巳喜男、助監督:渋谷実、松竹キネマ、64分、白黒、サイレント。
クレジットには作曲、古賀政男の名前があるが、サイレントなので流れず。レコード化はしたのだろうか?
5歳くらいの男の子を酒場の女給をしながら育てるシングルマザー、家族を捨てたらしい甲斐性の無い旦那が戻ってくるが、仕事をせず、金策のため泥棒に。
自首すれば何年か後に一緒に住めるという奥さんの言う事を聞かず、海に身投げ。子供と残された奥さんは「意気地なし」等、散々毒ついてエンド。
働きながら子育てをする女性、甲斐性の無い男性、男の弱さ、女の強さ、時代を超えた普遍的なテーマ。
酒場の女将を飯田蝶子、若い。
昨日の立川志らく師匠の会、Twitterでは絶賛の声があるが、マイナスに感じた客は投稿しないから参考にならず。
ただ、会に行ってない人が他人の意見を鵜呑みのし、志らく師匠の批判をするのは如何なものか。苦手だから年に一回、喬太郎との二人会だけ行く。そんな奴に志らく師匠の芝居の事を言われたくないし、言う資格は無い。
晩年のアントニオ猪木、年に数回の試合も酷かったが、最後まで見続ける覚悟を持って追い続けた。一時期、いやそれが数年に渡ろうとも見続ける、金と時間を使う。それでこそ、ファンの務めである。

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