早稲田松竹「矢口史靖×荻上直子 家族だから大丈夫。」900円
「サバイバルファミリー」
2017年、監督・原案・脚本:矢口史靖、117分。
世界同時停電、実際に起こったら人間の醜い面が溢れ、暗黒世界が展開されると思うのだが、矢口監督は敢えて人間の性善説を信じたのでしょう。
最初は田舎暮らしを嫌がっていた女子高生の娘(葵わかな)が、仕方なしとはいえ、人間力に目覚めていく過程がわかりやすく、楽しい。
「彼らが本気で編むときは、」
2017年、監督・脚本:荻上直子、127分。
小学四年生くらいの娘の育児を放棄し、男と家出する母親、残された娘の世話をする母親の弟(桐谷健太)と同居する性同一性障害の男性(生田斗真)との関係。
ラスト、金が無くなり戻ってきた母親に、付いていく決断をする小学四年生くらいの娘の心情、選ばれなかった性同一性障害の男性、娘のために立ち直る母親、娘の男子同級生の自殺未遂。
それにしても、桐谷健太の母親がりりぃで、生田斗真の母親が田中美佐子ってのは、世代の差が激しすぎるのでは。
この二本は、どちらも若い世代の適応力と成長を見せてくれた良質な映画でした。
シネマヴェーラ渋谷「ミュージカル映画特集II」1100円
「サマーストック」
1950年、監督:チャールズ・ウォルターズ、アメリカ、100分。
ゲットハッピーを歌うジュディ・ガーランドのカッコよさ。ジーン・ケリーとの掛け合いのダンス。
「フォー・ミー・アンド・マイ・ギャル」
1942年、監督:バズビー・バークレー、アメリカ、104分、白黒。
ジーン・ケリーのMGMデビュー作。第一次世界大戦時の歴史に残らないボードビリアン達を描くが、後半アメリカの国債購入促進映画となり、ジュディ・ガーランドはパリで米兵相手に歌っている。
ケリーはジュディと念願のパレス劇場出演のため、右手をわざとカバンで負傷させたが、ジュディには徴兵拒否と取られ、絶縁を言い渡される。ラスト、集中砲弾を浴びる前にアメリカ軍の救急車を救うシーンは、負傷者でも役に立つことを見せつけたようで、まさに国策映画。
ステージ上のパフォーマンスは素晴らしいので、見る価値は大いにある作品。
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