ずいぶんと遅くなりましたが、アカメ釣行記ラストです。
たった一匹の魚でこんなに満足したのは久しぶりだった。
4年という長かったが、自分なりの釣りで得られた魚はとてつもなく嬉しかった。
心に余裕もあり、この日はあちこち新規のポイントも見て回ったが、その後、アカメからの反応はなかった。
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日が落ちると予報どおりの雨。
早めに風呂に入り、車でのんびりと過ごす。
前日からの疲れが溜まっていたのか雨音を聞いているうちにいつしか寝てしまった。
たった一匹だったが最高の釣りができた。
朝起きて雨が止んでいなかったら帰ろうと思った。
朝になっても雨は止まず、道具を片づけお土産屋へと向かった。
普段なかなか来られない土地に来ているので、できれば釣り以外も堪能して帰りたいところ。
有名な観光名所はすでにほとんど訪れていたが、まだ市場を見ていなかったことを思い出し、急遽行ってみることに。
ちょうどこの日は日曜日。
江戸時代から続く土佐の日曜市を見ることができた。
どうやら路上で行われる市では日本一らしく、この日も多くの人で賑わっていた。
釣り場でよく見る「えがに」(ノコギリガザミ)もたくさん売られており、驚くような値段だが一度食べてみたいところ。
さすがは高知。他の魚介類も豊富で気軽に屋台で味わえる。
普段関西で食べられないものを格安で・・・。
そうこうしているうちにいつしか雨は止んでいた。
〜アカメ、再び〜
気分的にはもう十分だが、適度な雨で良い感じの濁りが入り、この状況、釣り人としては無視できない。
まだ潮位も高いはず。
すぐに釣り場へ。
準備をしていると地元の方に話しかけられた。
アカメの存在は知っているが、まだ水族館以外で実物を見たことはないという。
ゆっくりと左から右に流れる潮。
複雑に入り組むテトラ帯にミノーをキャスト。
着底後にジャークを2発入れた直後、ガツンと硬質のアタリ!!
一気にドラグが滑り水中でぼんやりと赤い目が光る。
杭に巻こうと抵抗するが強引に寄せる。
一匹目よりは落ち着いてやりとりができた。
ロッド:ダイコー アルテサーノ Tide Stream Special 96M
リール:ダイワ ルビアス3000
ライン:サンライン キャストアウェイ♯1.5+ナイロンリーダー40lb(FGノット)
ルアー:ジャクソン アスリートミノー7S改
人生2本目のアカメ。
50p弱。
まだまだ幼魚だが、この個体は縞模様はなく、まさにアカメといった体色。
褐色がかったボディーに赤い目
美しすぎる・・・。
先ほど声をかけてもらった方に撮っていただいた一枚。
盛り上がった額、大きな背びれ。
釣られて怒っているのか急に縞模様が浮き出る。不思議な魚だ。
その後もランガンを続け、70クラスの鱸がヒットするもオートリリース。
鱸狙いならうれしいサイズだがここは土佐。
狙いはアカメ、頭の中はただそれだけ。
そして最終日のこの日、あと少しで日が落ちるという頃。
2時間以上ランガンした最後のポイントでミノーをひったくるようにバイトしてきた一匹。
これまでで一番小さかったが、徐々にまわりが暗くなる中で輝く赤い目が印象的だった。
写真を撮り、無事に水に返した頃にはすっかり真っ暗になっていた。
心地よい疲労感につつまれる。
さぁ、あとは夜の部でミノウオクラスを狙うのみ!
〜最後の夜〜
この夜の下げ潮が最後のチャンス。
もう一度入念にタックルをチェックする。
足元には無数のボラ。
近づいても流芯へ逃げないところをみると何かフィッシュイーターが近くにいるのだろう。
橋脚の下にできる明暗部と裏側のえぐれ。
大型ミノーを流れにのせドリフトさせ、ライン操作でできる限り奥へと流す。
普段琵琶湖水系でやっている釣りの応用。
はじめた頃に比べればかなり上達しているに違いない。
いつもできる限りいろいろな釣りをしているのは必ず何かフィードバックできるものがあるから。
乾いた捕食音が暗闇から2発。
確実にアカメはいる!!
全快でルアーをキャスト。
潮がさらに効きだし徐々に流れは早くなる。
流芯にフルキャストしたルアーは流れに乗って4本目の橋脚の後ろにきれいに滑り込む。
ゆっくりフォールさせジャークを一発。
・・・・・。
ダメか。
食うならここだと思ったのだが。
ルアーを回収し、もうあと数メートルのところだった。
立ち込んでいる足元、その先2メートルほどのブレイクを通過したときドスンッと手元に衝撃が伝わり、一気にラインが引きづり出される。
すばやくロッドを立てて大きくアワセを入れるが、まったく魚は止まらない。
一気に5本目の橋脚まで走られ、少し勢いが止まったところで強引に頭をこちらに向かせる。
と同時に強烈なエラ洗い!
少しでも橋脚から離そうと立ち位置を変えながらファイト。
何度か強烈なダッシュを繰り返した後、足元に寄ってくる大きな魚体。
橋の明かりに照らされてときおり銀色のボディーが光る。
手元には伸ばしたギャフ。
あと一手でこちらのものだと確信した。
しかし、ここからがいけなかった。
寄せたアカメの口が半開きだったため迷いが生じた。
サイズはざっと80センチ。
口とはいえギャフを打つのをためらった。
ギャフを使わずとも、なんとかグリップで獲れるかもしれない。
一瞬のそんな思いからギャフを地面に置いたときだった。
アカメが突然激しく水を吐き出し、口の中に半分以上収まっていたルアーが簡単に吐き出された。
本当に一瞬のできごとだった。
あわててギャフを手に取るもすでに遅い。
アカメは股の間をするりと抜け、暗闇にゆっくりと消えた。
しばらくその場に立ち尽くし呆然とした。
〜おわりに〜
最後の最後で獲れなかったのは完全に自分の失敗。
いろいろな意味で最後まで何が起こるかわからないのが魚釣り。
達成感と同時にまだまだ修行が足りんなぁ〜と感じた釣行でした。
この釣行で釣れたアカメはどれも特別なルアーやアクションで釣ったのではなく、普段の自分の釣りの中から得たもので手にしました。
アカメという魚はとても身近にいる、でも遠い存在。
次に土佐に行くのはいつになるかわかりませんが、アカメが生き続け、すばらしい釣り人のいるこの環境がいつまでも続くことを願って。
アカメを手にするまでにとても多くの人に支えられてきました。
この場で少しでも多くの人に感謝の気持ちを伝えられればと思い釣行記を書きました。
また、今後自分と同じようにアカメを釣りたいと強く願う方の参考になれば幸いです。
ありがとうございました。
参考になるかもしれない夜のアカメタックル
ロッド:天龍 パワーマスター96H
リール:ダイワ ソルティガZ4500H
ライン:RAIGLON ディープハンター響 ♯4+ナイロンリーダー80lb(FGノット)
ルアー:ジャクソン アスリートミノーF14改
タックルハウス K-TEN 110・140改
スミス サラナMAX

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