昨年から本格的に取り組みはじめたマグロ釣り。
一昔前はマグロを釣るなど夢のまた夢、さらにはルアーで釣るなど不可能と言われてきましたが、ここ数年のタックルの進化やある程度の釣り方が確立されたことで手の届く対象魚の1つになりました。
とはいえ現実はかなり厳しく、条件の良い日に当たるだけでも難しく、さらには食わせてからキャッチまでを考えるといくつもの壁が存在します。
キャスティングをはじめた当初から、いつかはマグロも!と夢見ていましたが、まずはシイラや青物で徹底的に基本を学び、さらには大型魚とのやりとりに慣れるためバラムツなどにも通い込みました。
もっと早く挑戦したい気持ちはあったのですが、身近なターゲットをそつなくこなせるようにならねば応用などないと思いタックルを揃えながらその時を待っていました。
そして昨年の秋、はじめて大規模なキハダマグロのボイルに遭遇し、食わせることこそできなかったものの言葉では説明できない感覚を掴みました。
次にチャンスが来たときは必ず獲ると決めてから4ヶ月。
季節は大きく変わり、冬の海に今年もマグロの群れが入ったとの情報を受け、いざ和歌山県周参見へ・・・
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ひと月ほど前からそろそろ来る頃だろうと予約を入れるも時化や仕事の都合でなかなか出船できず休みのたびにがっかり。
幸いいまだ他船に釣果はなく、ベストな水温待ちとのこと。
そして出船3日前、条件が揃いはじめ、今年一発目のビンチョウマグロフィーバーが始まった。
偶然釣友が3日前に乗船しており、それほど良い状況ではないながらもしっかりとマグロをキャッチしていた。
今度こそ自分の番だ。
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朝6時。
ここは本当に南紀かと疑うほどの気温の中タックルをセット。
車の温度計を見ると−2℃。
幸い気温が低いだけで海上は凪。
仕事が長引きほとんど寝ずに来てしまったが、船長の「あんたらは最高な日に来た!」との声にやる気が出る。
本当は心の中では、いや、それは釣ってから言いましょうと思っていたがこの後、この言葉は現実のものとなった。
今回も
第八大洋丸さんにお世話になりました。
2船に分かれて出船。
船長のテンションがこれまでにないほど高く、「条件は完璧。あとは最高の場所に船をつけるのみ」とのこと。
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釣り方はこの船ならでは。
目に見えるボイルや鳥山が現れるまではルアーを艫から流して広範囲を探る。簡単に言うととローリングだ。
反応が出始めたらキャスティングに切り替える。
トローリングといって侮ることなかれ。
流す距離、間隔、さらにはルアーの種類やサイズ、引く層が重要なのは言うまでもない。
艫から4本流すので一人でもラインを流す距離を間違えれば一瞬で絡まって釣りどころではない。
ただ、上手く流せば全員同時ヒットも十分に有り得る。
場所によっての有利不利はないが、左舷の端に構えることにした。
船はベストな水温帯をゆっくりと走り、ここからはしばらく待ちの釣り。
朝ご飯を食べたり風景の写真を撮ったりと皆が思い思いの時間を過ごすが、いつ自分のロッドが曲がるかもしれないと不思議な緊張感が流れる。
前日の疲れと睡眠不足から少し目を閉じようとしたとき、その瞬間は何の前触れもなしに訪れた。
適度に緩めておいたドラグが一気に滑り、その音で目が覚めた。
見るとなんと自分のロッドが大きく曲がっている。
来よったで〜!!と船長が叫び、一気に船上が活気づく。
ホルダーからロッドを慎重に外し、ファイト開始。
船が完全に止まっていないこともあってロッドにかかる負荷はかなりのもの。
流していた距離+50mほど出されていた。
これまで釣ってきた魚とは少し違う引きにドキドキしつつ、しかしそれほどのサイズでもないため一気に寄せにかかる。
2度ほど下に突っ込んだが難なく浮かせ、ギャフが撃たれた。
ビンチョウマグロ 10kg
ロッド:ダイコー ヘミングウェイTUNA88
リール:ダイワ ソルティガZ6000
ライン:Avani CastingPE MAX POWER♯6+ナイロンリーダー130lb(FGノット)
歯切れ防止スペーサー200lb(オルブライトノット改)
ルアーとスペーサーはHHノットorスリーブ止め
ルアー:SOULS BRABUS 159HS レッドベリーメジ
なんと船中ファーストヒット!エキスパートから見ればマグロというよりはシビサイズだが、初魚の感動に浸る。
トローリングとはいえ憧れのマグロを釣ったこの達成感。
しかし次はキャスティングで獲りたい。
そしてマグレかと思われたこの一本ははじまりに過ぎなかった。この後、同船者に連続ヒット・・・

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