女子シングルスの第5シードで、ローランギャロス(全仏オープン)を制したスベトラーナ・クズネツォワ(ロシア)の1回戦は、312しか椅子(いす)席のない14番コートで行われた。全仏女王の威光も通用しないとは、さすがウィンブルドン、と妙なところで感心したのだが、その後“事態”はエスカレートしていく。
クズネツォワは『3番コート』で行われた2回戦のあとで、こう語っている。
「私はセンターコートに入れてもらえなくても何とも思わない。でも、ビーナス(・ウィリアムズ=米国)は1番コートで、ディナラ(・サフィーナ=ロシア)は2番コートなのに、それほどランキングの高くない選手がセンターコートなのよ。もちろん彼女たちも優れた選手だし、私はリスペクトしている。でも、これには驚いたわ。これが主催者側の狙いなのかしら、と思ってしまった」
この日、センターコートで行われた女子の試合は、カロライン・ウォズニアッキ(第9シード=デンマーク)とマリア・キリレンコ(ロシア)の2回戦だった。また、その翌日には、ビクトリア・アザレンカ(第8シード=ベラルーシ)とソラナ・シルステア(第28シード=ルーマニア)の3回戦をセンターコートに入れるという大抜擢(ばってき)もあった。
■『ウィンブルドンは特別』
「ウィンブルドンではどんなことでも起きるのよ。それがウィンブルドン。だから、みんな『ウィンブルドンは特別』と言うのよね」とクズネツォワは皮肉ったが、確かにこうしたコートの割り振りは少々“特別”すぎた。
今日(29日)は「センターコートに入れる選手を決める要因のひとつが“ルックス”であることを主催者側が認めた」として、記者会見で選手にコメントを求める記者も出てきた。ことの真偽は確認できていないが、おそらくこの記者も確証があるわけではなく、みんなが思っていることを口にしただけなのだろう。セリーナ・ウィリアムズ(米国)はこの質問にノーコメントを貫き、アナ・イバノビッチ(セルビア)も「よく分からないわ。ただ、スケジュールを組むのは簡単なことではないと思う」とかわしている。
スケジュール、すなわちコートの割り振りは、主催者側が選手の権利を代表するATP(男子)やWTA(女子)などと協議して決める。また、放映権を持つテレビ局にも発言力があると言われている。ルックスで決めるうんぬんの話の真偽はともかく、大会前半のスケジュールには、いろいろ詮索(せんさく)したくなるような、不可解なものがあったことは確かだ。そして、イバノビッチの言うように、コートの割り振りが極めて難しい仕事であることもまた確かな事実である。
「当事者の一人」と言ったら悪いが、クズネツォワは3回戦で大会を去り、ウォズニアッキも今日、敗退した。さらに、この日、美人選手として知られるイバノビッチ、ダニエラ・ハンチュコバ(スロバキア)も相次いで敗れた。大会の後半は、当然のことながら、大物選手や大会の注目選手がセンターコートを独占することになる。この“論争”も自然に終息していくだろう。
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ウオズニアッキVSキリレンコは是非物で見たいですが私も・・・・・
理由は聞かないで・・・・・・・

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