シネマヴェーラ渋谷「妄執、異形の人々 海外編」1000円
「太陽」
2005年、112分、アレクサンドル・ソクーロフ監督。ロシア、イタリア、フランス、スイス。
敗戦直後の昭和天皇をモノクロに近い映像と地味な鐘の音みたいな音楽でジックリ描く。天皇役のイッセー尾形が絶品で、皇后役の桃井かおりも短いシーンなれど、やはり巧い。
天皇、皇后、占領軍の司令官は立場が明確になっているが、他の登場人物は明確な説明が無く、固有名詞も無し。
アメリカ取材陣に写真を撮られる際、カメラマンが天皇をチャップリンだと言うシーンは笑えるが、日本人的には微妙。
「リシュアン 赤い小人」
1998年、102分、イヴァン・モワーヌ監督、フランス。
弁護士事務所に勤める小人リシュアンは依頼先のオバサンとのセックスに溺れ、恋愛感情を抱くもオバサンは手足の付いた性器扱い。
失望した小人はオバサンを殺し、サーカス団の少女と両思いになり、入団。
逃亡中のオバサンの旦那(無実)とコンビを組み、人気を博すが少女が嫉妬したので、コンビ解消。
性的満足を得ながら、精神的な満足が充足されないとわかるとオバサンを殺し、旦那に罪を着せ、サーカス入団するという展開はご都合すぎるけど、とにかく自分のやりたいように生きるというスタイルは無責任シリーズへ通じるし、弁護士事務所を解雇される時、所長の机に脱糞したのを見て、脱穀機を踏みたくなったのは私だけではない筈。
渋谷区文化総合センター大和田 伝承ホール「古今亭菊志ん 独演会 自分の落語〜新しい出発なための第一歩〜」3000円
18時45分、古今亭菊志ん「マクラ(志らく讚美)」
18時59分、菊志ん「堀ノ内」
19時09分、立川志らく「マクラ(木久蔵)」
19時13分、志らく「短命」
19時30分、志らく、菊志ん「対談」
19時49分、中入り
20時00分、菊志ん「マクラ(稽古)」
20時03分、菊志ん「中村仲蔵」
20時26分、菊志ん「小言幸兵衞」
20時54分、菊志ん「終演の挨拶」
20時55分、終了
菊志ん、初の独演会。裏開催の白酒ひとりを蹴っての参戦。小言幸兵衞井貝はネタ出しされていて、菊志んは短命を演るつもりか志らく師匠が演ったので、変更。
菊志ん、マクラでは、志らく師匠讚美に激しくして、対談では質問を用意し、志らく師匠が答えるというグダグダな展開。
志らく師匠は今日の会のゲストを自宅まで来て依頼されたので、断れなかったと言い、対談終了後、内幸町ホールで開催中の志らく一門会へ移動。対談コーナーと称しながら質問に終始した事を何か語ったか、とても気になる。
今日は、映画が二本とも当たり(特に、太陽)、志らく師匠の落語も良かったが、肝心の菊志んが対談コーナー以降、下降気味だったのが、残念。
もっと立川流に対する思いとか、落語に対する考え方の違いを戦わせてくれなければ、今日の会の最大の売りである対談コーナーの意味無し。
会場を出た一階で、白酒推しの石井徹也さんに遭遇。白酒ひとり、行かなかったとはビックリ!

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