シネマヴェーラ渋谷「渋谷実のおかしな世界」1000円
「現代人」
1952年、監督:渋谷実、松竹、112分、白黒。
業者との汚職、癒着、銀座マダムとの疑似恋愛にハマっている役所の上司・山村総の娘に惚れた若手職員・池部良がしがらみを断ち切るため、業者とマダムに交渉。
マダムは大人の感性でまとまるが、業者は納得せず、酒の勢いで池部良は業者を殺してしまう。
証拠隠滅のため職場に火を付け、殺人・放火・汚職の罪で逮捕され、マスコミに糾弾される池部良の不器用な立ち回りには同情。
山村総の代わりに業者との癒着関係を続ける池部良に 後々無責任男の原型を感じる。
冒頭のクレジット、セリフの字幕はイタリア語。
「本日休診」
1952年、監督:渋谷実、原作:井伏鱒二、松竹、97分、白黒。
貧乏人相手の町医者、休診日に起こるエピソードを描く。
大阪から東京に出てきて暴行された女性、知人を頼りに来たのに最後まで知人は登場せず。
恋人の淡島千景の入院費を稼ぐためにヤクザを止めると言っていながら賭場に出入りする鶴田浩二はイマイチだが、戦争で頭がおかしくなった青年役の三國連太郎は流石に上手い。
貧乏だけど幸せだ、的なノー天気な作品で、コメディとしても秀逸。

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