Evolver
この名前を聞いたことがある人は少ないと思います。
日本人が理想を求めて開発したロードバイクです。アルミ時代になって国産バイクは一気に減りましたが、
カーボンの時代になりまた続々と名乗りを上げています。アンカー、エヴァディオ、ボーマ、GDRなどなど……。まだこれからも出てくると思います。楽しみですね。

現在はこの
TROOPER
がラインナップと言うことになります。他モデルも過去には存在していました。
JK LIMITED
とか
RED KUU
とかですね。基本はカラーが違うだけみたいです。
重量:フレーム 1085グラム(520mm)フォーク420グラム
価格40万円
結構強気な価格設定です(笑)。これは素材の高さと、生産量の少なさからでしょう。もちろん型はどこかのに便乗しているはず。それか旧型を買い叩いたか……。サイズごとに揃えたら数百万、数千万かかってもおかしくないですからね。
見ているとワンオフのような作り方をしています。全てを鑑みれば結構良心的かもしれません。でもなあ、コルナゴ、ピナレロを買える価格でもありますし、何かしら特別な魅力がなければ……。
と思っていたら、ありました理由が。
2K-Sカーボン
私も始めて聞きました。調べても……、
さっぱり分からない!
ホームページを見ると
下記引用
E
volverには2Kというとても稀少なカーボン素材で作られています。
ほぼ希少価値な炭素繊維で、世界でも2社程度カーボンシートメーカーでしか生産されていません。
カーボン素材の特性から、堅さ(剛性)、軽量性、そして伸縮性から脚力を無駄なく伝え且つ快速性を持った自転車を作れます。僕は、この2Kカーボン繊維ロールを独自ルートで米国から入手しています。
さらには2Kカーボンは他のカーボンと比較して一本一本の繊維をツイストしてから寄り合わせているので、一枚一枚が厚くなっています。
引用終わり
というものらしいです。ふーん、なるほど……。
Kというのは繊維の量を表す単位です。1Kで1000本です。12Kなら12000本ということですね。そして問題の
Sは縒りを表すみたいです。
カーボン繊維は基本的に引っ張り方向には数トンの力を持ちますが、捻れ、折り返しなどの変則的力には齢のです。しかも高弾性になればなるほど、持ち上げただけで切れてしまうほど繊細になります。
そのカーボンを縒ると言う技法は始めて聞きました。面白いですねー。

これが2Kカーボン
これが3Kカーボン。比較用です。
そしてこの映像!
なんかウーゴ・デローザが喜びそうな
頑丈さですね(笑)。
カーボンロールを手に入れて作っているというので、現在主流のプリプレグ形式ではなくなのでしょうか? でも自転車界でRTMが出来るのはホンのごくわずかですし……。でもないっぽいですね。モノコックに見えますから、フィラメントワインディングでもないでしょうに。よもやハンドレイアップ? いやいやそれもないですな……。それともこのロールからプリプレグをいちいち作っている? そんな無駄なことを?
ちょっとわかりませんね。
取りあえず2K-Sカーボンは
表面にのみ使って、中身は普通のカーボンを使っているみたいです。
近頃では無駄を省き、狙った剛性を出せるユニディレクションが主流ですが、表面は実は編んだカーボンの方が良い場合があります。それも細かい目の方がより良いでしょう。それはトラブルの時。何かが飛んできた、刺さった、倒れたといった場合にはユニディレクションタイプは一気に裂けてしまいます。まさに単一方向に。ところが網カーボンですと、すぐ横に違う方向に繊維が走っていますからそれ以上亀裂が進まないわけです。レーサーでない人間にはこういう処も大切だと思います。
ダメージを受けたカーボンに乗るのは自殺行為ですが、かといって通常の人間はプロ選手のようにすぐに代車があるわけでもありません。そう言うときはありがたいですね。
動画でも分かるように
硬いフレームです。
超高剛性
を謳っています。古典的な手法ですが、力のある人間にとっては非常に有効な方法です。乗った感想も書いてありますが、本当に硬いフレームのようです。これは作者の意図通りですね。
私は自転車はバランスこそ命だと思っていますが、特化したバイクには何とも言えない魅力があります。今の快適性も備えているバイクが気に入らない人は試してみる価値ありでしょう。また手頃なEPSという考え方もあります(笑う)。
http://www.evolverbikes.com/

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