埼玉県戸田市 道満グラウンドA面
No.220
【第一試合】(公式戦)
ボブルヘッズ 12−2 ボルメッツ
N| 1| 2| 3| 4| 5| 6| 7|R
V| 1| 0| 0| 0| 1| 0| 0| 2
B| 1| 1| 2| 1| 6| 1| X|12
○KENDALL
HR…ANTONIO×3、ハルナ×1
スターティングオーダー
01番・C・torao
02番・2B・Tony
03番・CF・ハルナ
04番・1B・EGOIST
05番・SS・ハッチ
06番・LF・ANTONIO
07番・P・KENDALL
08番・3B・Hamada
09番・SF・POCHI
10番・RF・イチロウ
綱島監督考案の新打順で臨んだボルメッツ戦、ハルナ、ANTONIO、POCHIという三門の大砲を3−6−9のスジに分散配備し、それぞれの前の打者が出塁することでどこからでも大量点に結びつけるのが狙い。試合前、この打順の意図をメンバーに説明する監督だったが、喜々として「でもそのことは(4番の)EGOやんには言わないでおく」だって(笑)。
一方ボルメッツは先頭打者に大島兄を入れて、ボブズとは違う方向性の新機軸。先発KENDALLの失投を逃さず豪快にセンターへ柵越え。先頭打者HRの動揺からか制球を乱す場面もあったが、そこはエース、初回1失点で踏ん張る。
ボブズの新打線だが、やって見た感想は「やりやすい」そして「面白い」。出塁=生還となる可能性が高いというのはとてもシンプルで集中しやすい。そして単純に毎回エンターテイナーが出てくるから楽しい(笑)。
おそらく分散された大砲たちも面白かっただろうと思う。前の打者が「○○に繋げ」という意識でいることは伝わるだろう。ただでさえ分散によって責任が高まっているのに、そういうプレッシャーも受けるのだから大変。だけど、これは推測でしかないけれど、そりゃもう打者冥利に尽きると思うんだよね。みんなが「頼む!」って回してくれるんだから。
ただしこの試合でそれが完璧に機能したかというと、ちょっと微妙(笑)。5番ハッチで切れて、6番ANTONIOのHRはソロというシーンが繰り返されてしまったり、あと一本が出なかったり。それでも小刻みな加点で早々に逆転し、じわっとリードを拡げていく。
立ち直ったKENDALLは尻上がりの投球内容。多彩な球種、フォームやタイミングの変化、内外に投げ分ける制球力と、レベルの高い投球を見せつけた。捕手をやっていて思ったが、こうなってくると、捕手のリードというものが意味を持つようになる。もちろん投手主導の配球でも良いのだが、やはり捕手がしっかり構えて的を作ってやった方が投げやすいし、配球に気を使わずに投球に集中できる。もっともあくまでもハイレベルな投手の話だから、私含め投手陣はそれを目標に精進しないといけない。
試合は3点差に詰め寄られた5回ウラ、ようやく打線が繋がり6点のビッグイニング、終わってみれば10点差の快勝。KENDALLは大島兄弟擁するボルメッツ打線を2失点に抑え、危なげない完投勝利だった。
No.221
【第二試合】(練習試合)
ボブルヘッズ 16−13 レンジャース
N| 1| 2| 3| 4| 5| 6| 7|R
R| 4| 4| 0| 0| 3| 0| 2|13
B| 2| 1| 1| 1| 8| 3| X|16
○NAVE−(S)Ciao
HR…ANTONIO×2、ハルナ×1
スターティングオーダー
01番・EH・torao
02番・3B・かみやん
03番・CF・ハルナ
04番・1B・WacKey
05番・SS・ハッチ
06番・LF・ANTONIO
07番・RF・KENDALL
08番・2B・Hamada
09番・SF・POCHI
10番・P・NAVE
11番・C・ガンバ!
レンジャース戦はリーグ戦外の練習試合。しかし試合前からハルナのゲキが飛ぶ。「勝たなきゃいけない試合。(先発の)NAVEさんに勝利を!」
ところがNAVEは制球に苦しみ四球で走者をためてイヤな当たりのヒットで返される悪いパターン。2回までで8失点。しかしその間に試し続けた新球クロスボールでストライクが取れるようになるとようやくリズムに乗る。バックも守りで盛り立てた。
新基軸の打順は依然として「微妙」。もう1本繋がればスッキリどかん!という雰囲気はあるのだが、それが出ないもどかしさ。それでも小刻みな加点で徐々に点差を詰める。
綱島マジックが冴えたのは3回ウラ。二死一・三塁のチャンス。試合展開上からも極めて重要なこの場面で、打者5番ハッチに代えて代打Jun Bronsonを起用。空振り2つで追い込まれた時はチャンスついえたと思われたが、ここで見事にタイムリーヒット。追撃ムードが一気に盛り上がった。
ところが上手くいかないもんで直後NAVEは3点を失い、少しずつ詰めてきたビハインドを再び6点差に拡げられる。実に悪い流れだったが、かえってここでボブズ打線が集中できた。5回ウラ、「NAVEさんに勝利を!」の気持ちを、次へ次へと繋いでいく。ハッチにも会心の当たりが出る。なるほどさっきのは両者を生かす代打だったんだなぁ。この回一気に8点を奪い大逆転に成功。
ANTONIOは2試合でHR5発。静かな構えから突如としてものすごいスピードでバットを振り下ろす。その「居合抜き打法」から繰り出される脅威の飛距離、いやあ面白すぎ(笑)。
すっかり西日も傾いたがなんとか試合終了までやった。ボールが見えにくい状況は事故のもとなのでハラハラしたが、最後はCiaoが2回をしっかり締めてゲームセット。夕闇迫るグラウンドでNAVEはナインに胴上げされる。前日の雨でグラウンド状態は芝、土とも最高。気候も爽やかで、試合も最高。言うことなしの2試合だった。
さて新機軸「スジ打線」の効果を再度振り返ってみる。ふうむ、なるほど。2試合連続毎回得点(12イニングス)ではないか。これは見事。この事実がすべてを物語っている。「0」のない試合は、気持ちの張りが切れない試合。リードしても油断なし、ビハインドでも切れずに追う。1と0とでは、わずかなようで天と地ほど違う。これはやってみての実感だ。
初めてだから改良の余地があるのは当然。「大砲の後」は、特に勝負強さが求められるし、「大砲の前」は特に死なないことが求められる。今後データをもとに練り込んで行けば、その機能はもっと高まるだろう。