そして迎えた決勝戦。
私は全神経を集中させて挑みました!
序盤、得意の組み手で翻弄し相手にパッシブ。
その後も攻め続けて袖釣りで1ポイント。
お互いにパッシブを貰い、この時点で2−0だったかな…。
その後はお互いの闘魂のぶつかり合い!
今、何分経過しているのか、何ポイントとっているのか、とられているのか解らない程に、目の前にいる相手をただブチ倒したいそれだけ!
そしてアクシデントが…
相手の片足タックルか朽木倒しを無理に堪え、私は古傷の右膝を負傷してしまいました…奇しくも拓也と同じ右膝…
完全に膝にロックがかかってしまい、中々自力では関節が入ってくれない…
タイムをもらい、医療スタッフに整骨してもらうも、足が伸びなくて次第に焦りが生じました。
そして審判から残り時間30秒で失格になります。と…
その時でした。
師匠、家族、同志!
会場で応援してくれた親友のトヨアキ。
そして試合場で泣きそうになりながらも必死で応援してくれている教え子達の顔や、応援してくれている全ての方の想い。
そしてセコンドについてくれたヒデや、負傷をおってしまった拓也の想いなど、様々な想いが走馬灯の様に脳裏を駆け巡りました。
『頼むッ、千葉記位!師匠に誓いをたてた本物の弟子ならば、もう少しだけ頑張って動いてくれッ!』
と、祈り自身を鼓舞した瞬間に膝のロックが解放されました。
そして、もう一度マットに戻る事ができ、試合再開。
試合残り時間がどれだけあったか覚えてませんが、お互い心が折れる事は絶対にありませんから、そこからは漢と漢・魂と魂のぶつかり合い。
まさに死闘でした!
そして試合終了のブザーが!
その時は、どのような内容で勝利したかは覚えていませんでしたが、宿敵との死闘を制する事ができました!
筒井審判から私が勝ち名乗りを受け、榊原さんと抱き合い、健闘を称え榊原さんから、
『強い!強かった!来年もう一度やろう。本当にありがとう!』と。
相手セコンドに挨拶を終え私はマットを降り、勝負師から普通の親父に戻った私は、汗にまみれた顔では誰も気付かなかったと思いますが、自然と涙が溢れ出てきました。
本当に感無量でした!
そして本当に応援ありがとうございました。
私は世界一を目指し、更なる誓いをたて、それを果たす事を決意いたしました。
千葉記位


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