あけましておめでとうございます。
大晦日の夜、早く寝てしまい、元旦の朝は家族が寝付いた頃起きてしまった。しかたなく、本でも読むことにした。読まなければならない本は山ほどある。その中で手に取ったのは、詩人小泉周二の「メールマガジン放課後」だった。小泉周二の詩は教科書にも載っていたり、数々の賞を貰ったり、何冊もの詩集が出ていたりしている。ともかく大忙しの詩人である。どうして小泉周二と知り合いかというと、今から三十年も前に、児童文学夏のゼミナールin石和で同室になったことから始まる。たくさんのハガキを持ってきていて、小学校の受け持ちの生徒たちにハガキを書いていたのを覚えている。詩人の字はかなりへたで、私の字ににていた。そして、そのとき、目が不自由なことを知ったのである。網膜色素変性症という難病で徐々に進行していって、現在は光をなんとか感じられる程度にまでなっているとのこと。そんな小泉周二の近況が知りたいのと、詩が読みたいのとで、「メールマガジン放課後」を読み始めた。詩が一編と短い文章とが一つで一号分になり、156号分ある。読み進めていくうちに小泉周二の全容が解って来る。優しい詩を書いているのに、校長と対立したり、子どもたちとうまく行かなかったり、組合ともめたり、いろんなことをしている。そんな学校勤めの合間に詩を作るのはもちろん、ギターを弾き、歌を歌い、作曲したりと大忙しである。すごいと思ったのはマラソンをやっているとのこと、よくテレビで目の不自由な人に伴走者がついて走るマラソンを見ることがあるが、そのマラソンを小泉周二も走っているのだ。身近な人が走っているのを知って、なぜかパラリンピックまでが身近になった。そんな大活躍の詩人で教師で目の見えない人の小泉周二に圧倒された。そんな友だちがいるのに、比べる私のなんという体たらくさ、正月早々、目を覚まさせられた一冊であった。

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