あぐり先生の塾、「あぐりサイエンスクラブ」に行っている五年生の学たちの田んぼ体験の物語だ。台風一過の青空の元、学、雄成、奈々が、あぐり先生といっしょに先生のお父さんの家に向かう。
学たちは台風の後の「吹き返し」の風を原理を教えてもらってから、定点観察の場所に行く。田んぼの観察だ。学たちが春に田植えをした田んぼだ。ヒョロヒョロの苗が、今はしっかりした株を作り、葉を伸ばしている。稲の「分げつ」という育ち方をきちんと知って行く。稲を知りながら、自分たちの成長も確かめている。
2章で帯にもある「青田風」を体ごと感じる。青いにおいのする風が葉を裏返して白くなり、学たちに風を見せてくれる。田んぼに波を起こす風。
青田風だけで、その場に立ち尽くしてしまうほどだけど、田んぼからもらう感動や知識はとどまることを知らない。大変な草取り、稲に付く虫、ちょっと変わった田んぼの股覗きの「錯視」など、体でも田んぼと稲の成長を知って行く。
そして、田んぼがダムの役割をしていることや、農家の人々のめげない強さにも出会うのだ。
月曜日、散歩していて田んぼの匂いが変わったことに気がついた。目の前の稲に穂が出始めた様子はなかったが、奥の方の田んぼに幼い穂を見つけた。米の匂いの元はそこだったのだ。
田んぼを科学し、労働を身体で知って行く。まるで地球を全部知って行くような「あぐりサイエンスクラブ」の仲間たちといっしょに田んぼに出かけて欲しいと思う。みなさんは、この本の中で味わってからでいいのですが。
絵本の河さま
女性教師さま、あのゾンビみたいな顔の魚を召しあがったのですか。他に、手が出ないお料理は無いですものね。大牟田、ああいいなあ。
創作日誌
昨日は迷うことなく、飯田朋子さんの教室の作品展の会場に行けた。子どもたち、お母さん方の力作といっしょに後藤亮子さんの絵もあった。銀座で見た絵とはかなり趣の変わった絵だった。帰ろうとしたら、改札口の近くでせいのあつこさんと会った。
編集会議、なんとかうまくいった。たたき台のたたき台というつもりで出した企画書だがちょっとは役にたったらしい。
晴れ男だ。編集部の海沼さんに、家に着く頃は雨だといわれたが、バスを降りたら小雨さえ止んでいた。小峰書店さんのときは夕立になる一歩前に建物の中に、帰るときはすっかり止んでいた夕立。もう傘は持たない。
今日は、添削を1作やってから、編集後記、執筆者紹介を書こう。

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