まさに鳥類図鑑だ。多くの鳥たちを詩いあげている。一冊の詩集になるくらいだから、昭和に生きていなければ、これほどの鳥たちに出会うことはないだろう。
ユーモアや童謡の懐かしさまでも取り込んで、生きている鳥たちを図鑑の中に収めていた。鳥たちへの思いがうれしい。そして、時には詩人を含めた人間たちをあざ笑う。
長いタイトルの詩があった。
「カワセミの残した少年の日のなかでの、ある感性とかかわって」だ。一瞬だけ「飛ぶ宝石」のカワセミにふれた感触を、老人となった詩人の手に染みつかせた。遠い日に、私たちはいつも偉大な体験をしている。詩人だけが忘れない訳ではないだろう。
「ハクチョウの悩み」という詩もあった。みんなが「白鳥の湖」のイメージで白鳥を考えるけど、実際の白鳥は「飛び立つ」のが悩みだそうだ。大きくて重いことが。
読者の私には、そばに来て、釣り餌のイクラを食べられてしまった憎しみと、逃げるどころか追いかけてくる大きな鳥の恐怖が、今でも記憶の中にある。詩人はハクチョウの悩みを自分の中でも感じていた。
雪の混じる寒い曇り空の下、この詩集は冬を忘れさせてくれた。
木枯らしモンジャロウさま
ランを育てて「世界らん展」に出品する子どもたちはすごいねえ。枯らすことはできるけど、育てるのはねえ、大変だったろうねえ、エライ!
創作日誌
投稿作品評を5作分書いたら、背中が痛くなって、お仕事終了。今日は同人誌評を五冊分。といっても詩の同人誌だ。薄い。
せいのさんに、文庫本の『君たちはどう生きるか』を頼んだら、まだ中古本はないらしい。漫画が出て、岩波文庫版も売れているようだ。読まなければならないから、厚さが心配だ。
心配と言えば、解禁日の事。まだ年券を買っていない。日曜日にはどうしても買いに行こう。ついでに川も見て来なければ。

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