アイヌファンタジー『チポロ』に続く第2弾
アイヌの世界にいるヤイレスーホは蛇の魔物なのだ。人間になることもできる。蛇になって眠り、人間になって、一人さまよう。
そんなヤイレスーホを訪ねて来たのは、ランペシカという少女。復讐のために、ヤイレスーホの力の「呪い」が欲しいという。
ランペシカの追っ手をヤイレスーホは追い払い、「ついてくればわかる」とだけいって、二人は「柳の葉の魚」のいるススハムコタンを目指して旅に出る。
そして、前の巻の『チポロ』の主人公チポロたちに会う。
そこまで焦ったように読んだのはなぜだったろう。早くチポロに会いたい、そんな思いがあったようだ。
『チポロ』まで、アイヌの神話はほとんど知らなかった。ツルの神、ミソサザイの神たちが出てくるが、アイヌの神は日本古来の神々とは違い過ぎた。時には人間を諫めるのだろうけど、その神たちは人間への慈愛に満ちている。だからこそ、人間は神を崇めたのだろう。
始まりのほうのランペシカの話で、思わずその言葉の大きくて深い意味に、読み返さなければならないところがあった。この発想は作者の創造、もしくはアイヌの世界の不思議なのかと考えた。父さんの残した「願いが叶う金剛石の」いわれに驚いた。
「たった一度だけ、石の持ち主以外の、願いをかなえることができるんだ」
「持ち主以外の願いをかなえる」とは。読者として、同じ人間、同じ書き手仲間として、崇めたくなるほどショックを受けた言葉だった。
さらに物語は続きます。
木枯らしモンジャロウさま
大谷石、コツコツ刻んでいると無くなっちゃう、不吉な石ですよ。また、その神様に逆らっています。一回目は『ぼくの友だち』でした。
創作日誌
29日に取材することに決めた、その2時間後、みんなが絡んだ会合に誘われた。で、29日の取材は無し。その代わりのように、昨日もたっぷりの資料が届いた。もう読むだけで大変。
今日はその資料読みでしょう。本読みもあります。たっぷり。
さて、ポスト経由で散歩に行きましょう。

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