有島希音・作 流亜・絵 岩崎書店
調理実習の時間に、包丁を持って質の悪いいじめを繰り返す由奈に向き直っただけで、悪者扱いをされ、犯罪者のように見られていた亜梨沙は、ママに「行くな」といわれてから学校に行ってなかった。
執拗ないじめを繰り返す由奈たちを見て見ぬふりをしていた担任と学校。亜梨沙には卒業式の日も無く、突然同級生たちと離れた中学校に行かされる。
大学病院で薬剤師をしているママも本当の味方とはいえない。面倒な除け者扱いにされている。
学校では「どうせいっても無駄」と冷めた目をして生きていた。由奈の家に謝りに行かされたとき、豪邸の玄関の床に<いつか絶対に復讐してやる>と誓った亜梨沙だった。
最期に私物を取りに行った教室で気がついた、窓の外のハンノキ。その木が、亜梨沙の未来を変える物になるとは予想さえできなかった。ロッカーの中の落書き、切り刻まれたジャージやエプロンをそのままにして、小学校を後にする。
バス通学の中学校での担任は上村育子。ズカズカと人の心に踏み込んでくる目をしている。最初に声をかけて来たのは航太だった。無言でにらみつける。<誰もあたしにさわるな……>。
そんな亜梨沙が上村育子の国語の授業で、板書した句が小林一茶の「ハンノキのそれでも花のつもりかな」だったのだ。
<なんで? まさか上村……知ってた? あたしがハンノキを見てたこと>と思った亜梨沙だったが、まだ人が信じられない。そして最後の切り札を見つける。それは死ぬことだった。遺書も書いた。
そんな亜梨沙に待っていたのは、読者にとっても「希望」だったが……P162の感激も「希望」につながる。
一気に読まされた。でも、本当は何度か原形も読んでいるのだ。何年もかけた頑張り『それでも人のつもりかな』に乾杯しよう。
木枯らしモンジャロウさま
それがさすがや、貴家とも書く。野暮用もさすがやなあ。
絵本の河さま
素直に聞けない年代と教養人という人がいるんですねえ。何のために聞きに来るのかが問題ですね。そうそう、「質問」と言って、自分のことを話し出す人もいますよねえ。毎度、「ここにもいたか」と思います。
届いたとメールがありました。
創作日誌
いろいろあって、何もお仕事はできなかった。まあ、そんな日があってもいいでしょう。なんか、人生まで天気に左右されているみたいだ。今日も雨みたいだ。
でも、祐天寺だけは決着をつけてしまいましょう。本も一冊読めますように……アーメン。そうだ今日は極太のラーメンを食いに行こうかな。

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