作・おおぎやなぎちか 絵・松田奈那子 フレーベル館
二年生のまどかが90歳になるひいおばあちゃん「ひいちゃん」とひまわりの種を蒔くところから、この物語は始まる。
ひいちゃんがいろんなことを知っている遊び仲間で、いつも一緒だった。まどかが痛い思いをすると、「いたいのいたいの、がんこ岩へとんでいけっ」という。
まどかは聞きなれていたから、「がんこ岩」を不思議に思わない。でも、いっしょにいたミカちゃんはどんな岩かと聞いてくる。
ひまわりに芽が出て双葉になったころ、ひいちゃんが一人で出かけようとしてした。あわてて付いて行き、行き先を聞くと「どこどこ山だよ」という。
空色のバスに一緒に乗りこむと、ひいちゃんは遠足に行く子どもみたいに歌い出す。
どこどこ山は どこにある
どこどこどこどこ どこにある
あっちにあったり こっちにきたり
バスが終点まで行き降ろされるが、お金のいらないバスだった。
バスから下りたひいちゃんは杖まで放って歩き出す。ひいちゃんが見えない。すると木の陰から顔を出し、「このクスノキが、どこどこ山の目じるしなんだ」といった。
そして、「ひさしぶり」という声がして、ひいちゃんが「しゅうちゃん」と呼ぶ男の子と並んで立っていた。まどかが「知ってる子?」と聞くと、ひいちゃんはうれしそうに「よおくね」といった。
この物語の「不思議」はここから始まる。まどかが三年生になって、ひまわりがまたタネをまかれ、大きくなっていく。そしてまた、まどかたちはどこどこ山へ・・・。
不思議などこどこ山、がんこ岩、そしてひいちゃんの見る夢とまどかの結びつき。ひいちゃんがちいちゃんになるおまじない。不思議さがいっぱいの物語だけど、うれしい「人の思い――好き」を教えてくれた。
木枯らしモンジャロウさま
シンボルツリーと呼ばれれば、この柿の木も本望でしょう。今、もうちょっと力を入れて押したら、倒れそうです。で、押すのを我慢しています。
絵本の河さま
それは泣けませんよねえ。私もときどき息子まで思い出すのに時間がかかる母親を自分の近い将来と重ね合わせます。恐いですけど、しかたないですよね。河さまはまだまだです。取り越し苦労はなさいませんように。
創作日誌
昨日、貴乃花の問題で記者クラブ会友50年という解説者がなにやら言っていたけど、相撲協会の肩を持つ話ばかりしていた。記者クラブにいただけで信用できなくなる。
急ぎのお仕事を送って、いよいよ残り一つになった。
今日はそれを送って上京する。編集会議。

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