荒木せいお・作 タムラフキコ・絵 新日本出版社
11月20日、6年生の山谷風花は同じクラスの男子、石橋賛晴と、振替休日となった月曜日の朝に、高尾駅発小淵沢行きの列車に乗っている。
風花は他人の目を気にして、二人は兄弟の振りをしたほうがいいと提案する。賛晴は気にしていない。しぶしぶ賛晴は提案を受け入れる。練習もしてみる。風花は妹役だ。
なぜ、賛晴が、ただのクラスメートの風花と小淵沢行きに同行したのかにも、妙なわけがあるのだ。
列車が出発してすぐ、乗客の高校生たちのグループに目を付けられ、ボックスシートの空いているところに座られてしまう。風花たちは兄妹の演技をすると、高校生たちはがっかりした。駆け落ちカップルを期待していたのだ。駆け落ちを知らない風花に、高校生はスマホで調べて教えてくれる。
60歳くらいの女の人が隣に座る。賛晴が口ずさんでいたメロディーを、風花が「兄妹演技」で聞くと、その女の人が「ミソラヒバリ」と答えた。そこから、三人の会話が始まる。そして、賛晴の家庭の状況が知れたが、兄妹の芝居に無理があったことがバレてしまう。大人の気遣いが楽しく思えた。
徐々に、旅の目的の核心に触れ始める。心配性の賛晴の母親の行動が、二人に隠密行動をとらせることになる。物語は楽しさをところどころに添えて、目的の核心に向かって進んで行く。風花の淡い恋心も芽生えさせる。
長年、児童文学に関わってきた仲間のデビュー作だ。盛大に祝うことにしよう。いろいろお世話になったもの。
絵本の河さま
「明日は我が身」身に沁みますねえ。でも、不便になっても本人は気楽なんでしょうね。「本当の自由」が得られるかもしれませんね。周りは大変でしょうけど……へへへへ。
木枯らしモンジャロウさま
その通りですね。権力を持った側には、権力を持たない側の痛みなんかわかる訳がない。分かってもらいたいですね、一番に、安倍ちゃんに。
創作日誌
昨日は15分くらい遅刻してしまった。開始時間を間違たのだ。困った編集長だよね。11・12月号は「新・創作入門」だけど、なぜか、作家たちの生き方を書いてもらった感じになっていた。文は人なり、なんですね。
今日は遅れていた添削を始めねば。

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