なんとなんと、みとみとみさんのデビュー作だ。「季節風大会」、日本児童文学者協会の会報部でいっしょだった。ずっと仲間だった書き手のデビューはお祭りみたいにうれしい。
けやき町商店街で大幸軒という中華料理屋をやっている自分の家の災難を、他人事のように見ているだけの五年生の盛太郎の話だ。災難とは父ちゃんの交通事故。それでなくても近くにできたチェーン店にお客を取られて、お店には暗い雰囲気が漂っていた。
そんな雰囲気を変えるきっかけを作ってくれたのが、同級生のすずだった。
父ちゃんが大変なときに、小学生なんだから何もできないと逃げている盛太郎の代わりに、すずはお店に立ち始める。
盛太郎は病院のベッドの上から、父ちゃんに家のことを頼まれても、母ちゃんとばあちゃんがなんとかしてくれるだろうと考えていた。すずが手伝っていても、マンガばかり読んでいる。でも盛太郎はすずに小言をいわれ、大きな声を出してしまう。まだ、自分が手伝っても足手まといになるだけと考えているのだ。
担任の先生の家庭訪問での、盛太郎の作文の話が笑えた。いや、意味深だった。中華の華の字が書けなくて「中幸丼」が我が家の自慢という作文。「中幸丼」が作れるようになりたいと書いてあった。中くらいの幸せを目指したい本音だったのだろうか。
そんな時期、商店街ではまた一軒、シャッターが閉まる。
そして、とうとう盛太郎がお店のことを考え始める。出前のこと、個室のこと、選べるおまけ……一人の頑張りが広がって、商店街まで動かすことになる。
盛太郎やすずには感激させられるが、暗い場面の中で読み過ごしてしまったような「サンバカーニバル」の登場には驚かされた。前途洋々と働く喜び、何のために成長していくのかまで考えさせられる物語だつた。
木枯らしモンジャロウさま
ふらここの遠足のお誘いをさせてもらいます。2月の第三日曜日は決まっています。神戸にも行けるようになるでしょう。お待ちしています。
創作日誌
1時間くらい仕事をして、読書と「シャーロック」の録画を観た。これを見ると「科捜研の女」が見られなくなる。真面目一辺倒は飽きらせられる。
今日もその予定で。散歩に行きたいねえ。雨ばかりだ。いきなりストーブ。エアコンは喉に悪いのが分かった。
さて、内田さんのブログ、今日は何だろう。

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