作・工藤純子 絵・佐々木メエ Gakken
読みだして、おっ欧米か、とツッコミを入れてしまった。この本の文章は横書きなのだ。子どもたちはもう、横書きが読みやすくなっているらしい。
お父さんを早く亡くしたココは、4歳の時からバレエをならっていて、バレエが大好きな4年生の女の子だ。親友で同じクラスのヒナも、週2回市民会館のバレエ教室に通っていた。ピアノを習っているカナトも同級生。先生は、あこがれのアスカ先生。バレエを始めたいと思ったのは、アスカ先生が踊っている姿を見たからだ。
そのとき、ココは魔法にかかったみたいに動けなくなって、ぼーっと見とれていたのだ。今でも運命的だと思っている。
クラスメートにもバレエを習っているマリアもいる。マリアが習っているのは本格的な藤宮バレエスクールだ。練習日も市民教室の倍の4日だ。
第一の試練は、ヒナが藤宮バレエ教室に行くことになったことだ。ヒナの告白も、それを受け入れるココも辛すぎる。そのスポットライトを当てたくなるような悲しいシーンに、長い物語の始まりを感じた。
ココのお父さんのことは衝撃的だった。
感激した言葉がある。どんなシーンで出て来るかは、読んでからのお楽しみだけど紹介させてもらう。「あなたたちの前には、かべじゃなくて、観客席があるのよ! もっと遠くを見て、観客に向かっているような気持ちで……」
私たち書き手もそうでない人も、もっと遠くを見なければならないのか思った。
いやあ、バレエについて、いろいろ勉強させてもらった。これだけ知っていれば、すぐ踊りだせそう、なんて思わせるくらいに。でも、たくさんの「ひとつひとつ」をきちんとできないと、舞台で踊れるようにはならないのだろう。英国ロイヤル・バレエ団のことも出てくる。重要なポイントとして……、ここまでお伝えして、紹介を終える。バレエの足のポジションというものをやってみたくなった。
創作日誌
土曜日は古民家の美術館で陶芸展を見てきた。どうせいないだろうと思っていた谷口勇三先生がいて、漫才をやってきた。広い敷地をすべて展示に使えるほどの作品数もすごいが、雄大さとユーモアもさすがだ。本物の落ち葉かと思っていたら、全部作品だという庭の落ち葉、廊下から庭に降りる草履かと思ったら陶器。ひでちゃん用のお風呂も庭に展示してあった。一度、その風呂に入ると決めた。
栃木県のさくら市の古民家美術館で、八月もやっている。
美術館といえば、那珂町の広重美術館に行きたくなった。昨日、録画しておいたサスペンスに三十六景が出ていた。死体のあるところ。
もうすぐ月末、『日本児童文学9・10月号』の「三点セット」の締め切りが近づく。
「季節風」の問題の同人誌、やっと半分まで読んだ。あと半分260ページも読み切らないと。
今日はまた、純子さんの本を読む。同人誌も。手直しも。散歩してから頑張りましょう。

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