楠章子 作 井田千秋 絵 Gakken
書き手にとって、最初に主人公、主役、中心人物をどう紹介するかは悩むところだと思う。
「1かんばんのないパン屋さん〜ぽってりクリームパン〜」では、小人のマリが、ミルクティー色のレンガの建物や、パンを焼いているパン屋の主人のおばあさんの紹介までしてくれる。へんくつさんという呼び名までも。
そして、「2約束の金貨〜かりっとクルミのカンパーニュ〜」で、へんくつさんと呼ばれるアンナさんが中心人物になってきて、「3サルのへんくつさん〜洋ナシのかしゅかしゅデニッシュ〜」では完全に主人公になる。
話は気むずかしく、へりくつばかりいうおばあさん、アンナさんを描き出して行くが、舞台もへりくつさんたちのいるところもほっこりした温かみのある世界だった。
「ぽっこり山のふもと、動物や小人たちがくらす山と、人間たちのくらす町のちょうどあいだに――」にあるというのも、初めて。
「――あいだに」というところとは、不思議で幸せな世界だと思える。
さて、6つの章の中で、へんくつさんはいろんな人に出会う。「5こまったしょうたいじょう」でへんくつさんが困るのにも共感させられる。会わなければならない人にあうのだ。もっと困って欲しいとも思った。
章ごとに出てくるパンもお楽しみの一つだ。クリームパンは今日食べたい。クルミのカンパーニュなんて知らない、食べてみたい。黒こげのバターロールは遠慮したいけど。
動物や小人たちと人間たちのクラス町の間が、興味深く、読者を納得させる「パン屋さんの物語」だったと思う。さわやかな読後感がステキだ。
木枯らしモンジャロウさま
宇都宮まで、はるばると、お疲れさまでした。
バキューン、バキューンの荒野の酔っぱらいもいいよね。
しいこさま
今日もびっちりです。お金にならないのが玉にキズ。ま、文藝家協会からのお小遣いだけが頼りです。小学生のみんなに、返さねばなりませんね、高橋の場合は。へへへ
創作日誌
まず、作品評を書く。小学校の読み聞かせに行く。リハビリに行く。郵便局に行く。散歩も少しする。読書で本日の用事は終わりだ。
「強い動機」を考える。とうとう、部屋が出戻りで一杯になった。

0