佐藤まどか・作 大庭賢哉・絵 講談社
このシリーズ、何作か読ませてもらったが、「物語を味わいながら、SDGs」を学べるということがすごい。
ちょうど季節は今、五年生のタケは青い海を見にバルコニーに出る。それでも狭い海しか見えないけど、海はあこがれの別世界だ。
尊敬するフリーダイバーの兄ちゃんがいう「全部は見えない。だからあこがれる」世界なのだ。
100メートル以上潜れる兄ちゃんはいう。
「――暗い海底にも、ひっそりと生きているものたちがいるんだ。光りや音のほとんどないところで、静かに暮らしているんだよね。オレたちは、そういう聖域の入り口におじゃまさせてもらうんだよ」と。
海のことをなんでも好きなタケが、兄ちゃんに「浜へ行くか」と誘われる。
兄ちゃんといった浜で、タケは「海岸のゴミ拾い」を、ボランティアの大勢の人といっしょにやることになる。
そこで、ゴミ収集のこと、ゴミの怖さ、とりわけプラスチックゴミの怖さを聞くことになるのだ。
日本が一人当たりのプラスチックゴミの量が世界第2位ということも知る。重油流出事故では元の海に戻るまで何十年もかかることも聞く。女性の髪の毛で黒い重油を吸い取ったことも、見せてもらった動画にあった。
地球の温暖化にも関係する。海では吸収しきれない二酸化炭素ガスのことも知った。
タケは友だちにも「ゴミ拾い」のことを広めていく。
大人の私でも、知らないことがたくさんあった。歯磨き粉に入っているスクラブのこと、初めて知った。歯の汚れを落とすためのものが、海を汚し、海に住む魚たちの体の中に貯められてしまうことに驚いた。
テレビでも毎朝、SDGsのことが放送されるけど、私たちの生き方の中に組み込まれるまで、知っていかなければならないと思った本だ。
絵本の河さま
何度も雪が降るんですから、福岡県には雪女がいそうですね。すいとっと、なんていわれると凍え死にそうです。怖いけど住みたくなりましたよ、へへへ。
木枯らしモンジャロウさま
令丈さんもそうですが、発想をきちんとモノにするってすごいですよね。妖怪コンビニの商品の面白さだけでも読みたくなる本です。理事会のお茶菓子に持って行きたいです。
創作日誌
昨日も、今日も釣り堀には行けないのであった。昨日は車がなかった。今日はリハビリがある。
録画してもらった、会員仲間で?感染学の教授でもある岡田晴恵さんの授業を見ることができた。楽しい感染学だった。『日本児童文学1・2月号』には、掌編「浜辺の糸電話」(創作特集 ディスタンス)をよせてくれていた。
今日は午後から、編集長最後の編集部会議だ。もちろんZOOMの会議になる。
明日は、季節風の編集会議。
それではみなさん、楽しい週末を。

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