8月6日、72回目の「原爆の日」に届いた本だ。
指田和さんは、活動する作家で、東日本大震災のときも、被災地のホテルを手伝いながら取材を続けて、『はしれ、上へ! つなみてんでんこ』(ポプラ社)などの本を出されている。その間に、広島の取材もされていたのだ。
『ヒロシマのいのち』は第1章「ぼく・わたしが体験した8月6日 あの日、きのこ雲の下でなにがおこったのか」、第2章「平和のバトンをつなぐ 平和活動の芽吹きを追って」第3章「これから生きる君たちへ 新しい世代が伝えるヒロシマ」がある。そして、取材した10人の方々の言葉が綴られていた。
第1章での岡ヨシエさんの体験も悲惨だったが、プロローグのような言葉は強烈だった。「14歳でいのちを終えてしまった たくさんの同級生のことを思うと、『助かってよかった。』という思いは一度もないの」。
証言の中での一文、
「橋を三分の一ほど渡ったときでした。うしろでドボーンという音が聞こえました。浜岡さんがあまりの水ほしさに、お堀に落ちたのでした。わたしたちが走ってもどったときには、もう助からない状態で浮かび上がってきていました。――」
と、本当は自分も原爆症に侵されているのに、そのときは無事でいることを悔やんでいたのだ。軍国少女だったことも悔やみきれない岡さんの証言は、今を生きる私たちに「2度と繰り返してはいけない」といっている。
この本で、真面目に教育されてしまう人間の怖さも知った。何かがおかしいと感じたときに声を上げなかったら、何度でも悲惨な戦争を繰り返してしまうのだろう。自分たちは助かると思っている政治家の言葉なんて、何一つ信用できないのだと思った。
創作日誌
土日は事務局も休みだろうからと安心していると、原稿が届く。遅くまで仕事をされているのだろう。ゆうゆう塾もそうだ。きちんと生徒さんの作品が届く。日曜日、遊び歩いていると、月曜日の仕事になる。
で、今日もお仕事が一つ待っている。これから開けるメールにもビクビクしなければならない。でも何か一つ自分の仕事もしたいと思う今日この頃である。

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