今年の全日本トーナメントは感慨深いものがあります。何故なら僕にとって65競技の最後の試合に成りそうです。65競技は僕が黒房に関わる様になった最初の仕事でした。「kakuちゃん、試合ではどんなリールが欲しい???50wの何処を改良しどんな仕様にすれば一番納得が出来る???」まさに夢の実現でした。今まで試合では何かを妥協し何処かを改良して挑んでいたものを買ったそのまで試合に出れる!!!ホンマに当時は凄い事だったと思います。仕様上の問題で沢山のクレームが会社に届けられた事もありました。その対策としてクラッチが3点から2点強化に変わりましたよね?これが僕の65競技での思い出の中で一番後悔している事であります。僕は試合で勝ちたい為に、65を提案した。誰よりも早く巻き上げたかった。どの機種より早くクラッチを繋ぎたかった。その為には使い方に規制があっても3点クラッチのままがホンマは良かったんです。数多くの一般ユーザーから届けられたスプールの逆転によるギア鳴りは僕はほとんど経験が有りません。クラッチが繋がるまでスプールを離さないからです。大型釣りには不適応!!!そりゃそうです。試合で勝つ為に作ったのが65競技です。ここまで売れてしまうと、想定外に対しても対策を施した黒房の企業理念は素晴らしいとは思いますが、このクラッチ改良により65競技が普通ぽく成ってしまったのはホンマに残念で仕方ありません。大型の真鯛やチヌが、掛かった時に!!!それならそれ用のリールを使えばいい話しです。まがいなりにも65には競技と謳ってあるはずです。F1がどんなに凄くても砂漠は走れません。黒房の65競技の打ち出し方に誤りがあったのは事実ですが...........。
トーナメントでは65競技は何人ものチャンピオンを生みました。この事実は開発者の一人として感動に値します。バイキング改良版が全盛であった頃、50で殴りこみました。50Wでバイキング極と熾烈な戦いを繰り広げ、65競技で完全にトーナメントシーンを塗り替えました。すでに黒房新リールアスリート競技が登場を待ってます。今年の王座ではついにアスリートで初めての戦いになりそうです。
今夜は最後のトーナメント用に徹夜でメンテをします。今までで最高のメンテを65に施します。今年の堂ノ浦は65競技最後の仕事です。悔いの無い、いい仕事がしたいです。
