道明 宝
宝が逝ってから
何日か時が経ちました。
少しずつ、少しずつ、
宝の居ない 今を
頭と心が理解し始めました。
それでも
釣り関連の仕事や動きの中では
「なぁー宝。あいつはアホやなあ〜」
「ホンマに忙しいのにめんどくさい。なぁー宝」
心の中では いまだにこんな会話が続いてます。
50前のオッサンが
こんなんで 独りで小さく笑ってしまったりして。 みっともない話しです。
やんちゃ で
バカ で
でしゃばり で
うるさく て
寂しがりや で
弱虫 で
気いづかい で
優しく て
大好きな人間と同じ数位、嫌いな人間が居る。
そんな生き方しか出来ない男でした。
宝と過ごした15年間は
嫌な事や面倒が多い
15年でしたが。
笑ってばかりの15年であった気がします。
昨年、JFT王座優勝での
宝の釣りを見て
今度は、宝に挑戦をしたくなった。
どうしても戦いたくなった。
様々な理由はあれど
もう一度
選手に戻りたい。
そお思ったのは
宝のおかげです。
あいつと最後に話した事は
「会長、チヌ釣りめんどくさい事多いですけど、全部忘れて昔みたいに釣り行きましょう?」
「会長、これでやっと会長と同じ土俵で勝負出来る。とことん勝負しましょう?」
この振り切った
あいつの笑い声
が頭から離れません。
時の流れと共に あいつとの記憶は風化するのでしょう。
それでも俺は
チヌ釣り
をして行く以上は
道明 宝
を忘れません。
あの笑い声を
忘れません。
やっと 宝の話しを
書く事が出来ました。
今を理解出来ました。
何か大袈裟に動く事無く、淡々と いつも を
生きて行きます。
残された者の意味を感じながら 進んで行きます。
葬儀、通夜、で 宝を
見送ってくださった
沢山の方々に
宝に代わりまして
心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。
JFT中部チヌ研
田中 覚