何と新年1月1日から公開された話題の正月映画。元旦が初日だなんて、『激走!5000キロ』以来ではなかろうか。なかなかカッコ良いですな。
さて、チャウ・シンチーの新作である。前作『少林サッカー』より、さらにクンフー映画リスペクトになった作品で、全編、これでもかこれでもかという、アクションとバイオレンスが炸裂する武闘篇であります。
『少林サッカー』の面白さを期待した人からすれば、大半がガックリするのではないでしょうか。大体コチラは、コメディの要素も少ないし、それに、ストーリーに起伏がないしね。でも、実は、そこがポイントなんですな。シンチーは恐らく、70年代の香港製クンフー映画を復活させたかったんでしょうな。あの頃の映画といえば、ストーリーも単純(復讐ものばかり)で、シリアスでバイオレンスな展開が多かったですからね。でも、技は本物。今回は、CGとワイヤーアクションというテクニックを多用しているとはいえ、現代的に再構築したって感じなんでしょうな。
何たって、シンチー以外のクンフー・スター大集合にはビックリ。『燃えよドラゴン』で、オハラにサマーソールキックを浴びせたユン・ワーの活躍を見れただけでも涙モノである。そして、あのブルース・リャン。めちゃカッコいいじゃん! 見掛けはダサいけど、滅法強い。これですよねぇ〜。さすがは、世界を往ったドラゴンである。腐っても鯛だ。
70年代クンフー映画とブルース・リーに対するリスペクト、マニアックではあるけれど、同じ青春を過ごした者にとっては、もうお腹がいっぱいになる程の感動を与えてくれます。何度でも観たい傑作でありますデス。 (★★★★)
Kung Fu Hustle
【カラー/2.35/ドルビー/SDDS/99'58"】
●梅田ピカデリー3/約3分の1/タダ券/19:00からの最終回

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