またまたリメイクですかいな。FOXなんて、『ポセイドン』があったばかりなのに。もういい加減にしろ!と言いたい所ですが、懲りずにまた観に行くワタシもワタシですな…。
しかし、リメイクってかなりのハンディですな。オリジナルと違うように作れば、「前作と違うやんけ!」と罵倒されるし、ソックリ同じように作れば、「まんま同じやんけ!」と文句言われるし、作る方も大変ですな。ま、最初からそういうリスクを背負っているのがリメイクの宿命でもあるのですが。
さてさて、この作品は、上記のデンで行くと後者の方になりますかな。つまり、「そのまんま同じやん」のパターンですな。同じに作って果たしてリメイクする意味があるのかどうか、これは深く議論すべき事柄ではあるかと思いますが、その点につきましてはここでは割愛させて頂くとして、率直な感想をひとつ。意外にも面白かったんですな。自分でもビックリしたんですが。
確かに、オリジナル版とストーリーは全く同じで、人物設定から展開、さらに見せ場の配置まで同じなんですが(違うのはカメラワークぐらいでしょうか)、ナンか、ソックリ同じに作ってあるので、安心して観ていられたというか、フムフム…と、いちいち頷きながら観られたんですな。で、オリジナル版も勿論そうなんですが、このストーリー、結構面白いんですな。だから、話の展開が分かっていても、ついつい引き込まれてしまうというのか、話術を楽しむような感じで、観てしまえた訳なんですな。
多分、オリジナル版を一度も観た事の無い人だと、結構楽しめるのではないかと思われますデス。ま、しかし、オリジナルを愛する人からすれば、出演者に華が無いとか、音楽がジェリー・ゴールドスミスじゃない…とかいう辺りがウィークポイントではないかと思うのですが(これは正直、ワタシもそう思いました)、まぁそこはしょうがないと諦めて観たら、案外イイ出来だったような。元がイイ出来の映画だったから、ソックリに作れば面白くなる訳ですよね。中途半端にリスペクトされたりするより、この方が開き直って良いかも…。
で、その出演者なんですが、主役より脇役の方が豪華というのは、これまたド〜じゃろかい。開巻いきなりジョヴァンニ・ランバルド・ディースが出てきた時には驚いたというか、嬉しかったです。主人公にダミアンを授ける神父の人ですね。ジョヴァンニ・ナントカ・カントカ〜なんて名前でクレジットされていましたが、別名(英語名)をジョン・モルゲン(モーガン)と言いまして、『地獄の謝肉祭』ではショットガンでドテっ腹に穴を空けられ、『地獄の門』では電動ドリルで脳天を貫通させられ、『人喰族』では、チン○を切られて食べられていた悲惨な役柄ばかりの、70〜80年代に措けるイタリアン・スプラッター映画には欠かせないバイプレーヤーだった人。その彼を久々にスクリーンで見れたのが、何とも感激でした。ここでも、ホラー・メイクを駆使して、往年の迫力をちょっとだけ(本当にちょっとだけ…)見せてくれていたのは、涙ものでありましたね。
それと、これは重要な事なので、是非言っておかないといけないんですが、恐い乳母役で出演していたミア・ファロー。今でも十分綺麗ですやんか! もう還暦を過ぎているというのに、この美しさ! 今でもイケてます。今でもOKです。こんな美しい乳母だったら、悪魔の使いであろうがナンであろうが、ワタシなら全面的に従います。ダミアンに成り代わって、ワタシが悪魔になっても構いません!
最初、ミア・ファローがこの役で出ているのは、『ローズマリーの赤ちゃん』との悪魔繋がり(彼女こそ悪魔の産みの親ですもんね)だから…と思っていたのですが、それだけでは無かった訳ですね。このリメイク作、彼女をキャスティングしている点だけは、大いに評価しても良いのではないでしょうか(そう思っているのは、全世界で6人ぐらいかと思いますが…)。そういえば、『フォロー・ミー』の彼女も、昼間っからハマー・プロのホラー映画ばかり観てたっけ。妹は『サンゲリア』に出てたし、意外にホラー好きの血統なのかも知れませんな。 (★★★1/2)
The Omen
カラー/デラックス・プリント/パナヴィジョン(カメラ&レンズ)=1.85/ドルビー/dts/SDDS/110分36秒
●ホクテンザ1/チケット屋券(\700)/約10人(9:25からの6回目)

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