前作は観ました。確かタダ券で。おそらく、タダ券でないと観なかったと思います。で、タダ券で観た割には面白かったんですが、ナンていうか、ほとんど覚えていないんですよね。印象に残っていないというか。かといって、DVDとかでもう一度観ようという気にもならず、一度観れば十分という感じで、いわば、一度観て、観終わって3秒で忘れてしまう、そんな映画だった訳ですね。唯一覚えている事と言えば、その時一緒に行った女性が帰り際に洩らした一言「出てきた男の人、両方とも男前やったワァ」という言葉だけ。ま、ジョニー・デップにオーランド・ブルームですから、それも当然かと。
そして続編です。今回も、たまたまタダ券が手に入ったんで、他に観る作品もなく、これを観てしまった訳ですが、先ほど述べたように、前作の印象がかなり薄いものですから、前作との繋がりというか、関わりの部分に全くもって「…?」って感じだったのが、自分としては情けないというか、しょうがないというか…。だからといって、観る前に前作をもう一度見てみようという気にはならなかった訳ですが。
そんな状態だった為、ラストに出てきた人の意味が全く分からず、「???」となったまま終わってしまい、ナンかヘンな気分。そりゃ、アンタの記憶力が悪いからだヨと突っ込まれそうですが、それはちょっと別のような気がします。例えば、『ヤング・シャーロック』なんて、今までビデオで1回こっきりしか観ていないのに、エンド・クレジット後のラスト・シーンは鮮明に覚えているし(ラストに登場した人物の正体が誰なのかも即座に分かった)、『ナイル殺人事件』も、映画館で1回しか観ていないのに、誰が犯人だったかハッキリ覚えているし…という事で、1回しか観ていない映画でも、覚えている事は沢山ある訳なんですよね(こんな例でイイっすか…?)。にも関わらず、この映画の前作に関しては、全く何も覚えていないというのは、単なる記憶力の低下だけが要因とも思えず、やはり、映画の印象度というか、観た人の脳裏に焼き付ける程の力が、映画に無かったっていう感じなんだと思う訳ですね。ま、この前作に限らず、最近はその手の映画は多い訳ですが、ようするに何が言いたいのかと言うと、そんな印象の薄かった映画の続編と言われてもピンと来ない訳でして、今回の映画も、前作に負けず劣らず面白かったんですが、恐らく、暫く経つと、ほとんど忘れてしまうんだろうなぁって事なんですね。ナンか飲んだ時だけスカっとする清涼飲料水のような映画って感じでしょうか。
巷の評判が悪いんで、ちょっと心配していたんですが、ジャングルでの追っかけのシーンとか、メチャクチャ面白かったし(ラストには笑いました)、テンタクルズのシーンもそれなりに迫力があって、今回も入場料ぐらい(タダ券でしたが…)は楽しませて貰ったのは良かったですが、ナンか、ストーリーがイマイチ分かり難かったのがナンというか…。みんな、何が目的でデッドマンズ・チェストを探し回っているのかという、最大のポイントがボカされていたので、ちょっと盛り上がりに欠けた所はありました。アレを手に入れたら、どういう得があるんだろう…と、ずっと疑問に思っていたんですが、最後に出てきた人が誰なのかという事と合わせて、誰か頭の良い人に教えて欲しいものです。
話を元に戻すと、例えば『ビデオドローム』とか『ブレードランナー』って、ワタシは今まで数百回も観ているんですが、イマイチ印象が薄いんですね。ストーリーもほとんど覚えていないし。でも、これらの映画っていうのは、もう一度観よう、何度でも観ようという気を起こさせる、何かそういった不思議な力のようなモノを持っていると思うんですね。それが魅力の一つかと。特に『ブレードランナー』がカルト的な人気を誇っているのは、そういう部分もあるからではないかと思う訳ですが、同じように、観終わってストーリーも忘れてしまう映画でも、この映画や前作のように、何度も観ようという気にならない映画も存在する訳でして、これはナンとも困ったものですなぁ。観ている時は面白いのに、観終わると印象が無くなるという映画ほど、困った映画はないように思います。観ている間は面白いだけに、性質が悪いというか…。 (★★)
Pirates of the Caribbean: Dead Man's Chest
テクニカラー/2.35(S35)/パナヴィジョン(カメラ&レンズ)/ドルビー/dts/SDDS/150'11"
●梅田ピカデリー1/タダ券/約4分の1(7:30からの最終回)

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