シリーズ第6作目にして最終作(多分…)。3作目の終わり方も「もうこれで終わり」みたいなエンディングだったし、「4」も「5」もそんな感じだったから、また今後も復活する可能性が無きにしも非ずって気もしますが、取り敢えずこれで最後という事らしいです。お疲れ様でした。
しかしまさかここに来て還暦を迎えたロッキーを見るハメになるとは思ってもいませんでした。ランボーはまだしも、ロッキーがまたリングに上がるとは…。
リメイク流行りの昨今、これ程正当な続編というのも珍しいですな。登場人物もキャラクターも全て前5作を踏襲していて、ある意味清々しい気持ちにさせられますな。で、ストーリーの方はというと、これがもう、我々の予想通りというか、期待通りの展開になっていて(ほとんど1作目のリメイクといった感じに近いですが…)、とにかく、往年のファンの心を揺さぶる内容になっているのには参りました。ナンか、昨年の“つま恋ライブ”のような懐かしさ溢れる雰囲気になっていて、思わず拓郎の「旧友再会フォーエバーヤング」の歌詞を口ずさみたくなるような、そんな映画になっていました。
“久し振りに遇えたのだから、つもる話しも数々あるけど、何だか胸がしめつけられて、あなただけとにかく元気で何よりです”“男の夢だけ捨てきれません”“目の前のマッターホルンがまだなのです”という歌詞そのままの映画になっていて、映画の内容に感動するというよりも、「懐かしい思い出に浸らせてくれてありがとう」といった気分に胸がいっばいになるという、そんな思いに駆られる映画でありました。
ロッキーというキャラクターとシルヴェスター・スタローンが見事同化しているのも、その感動に一役買っているようで、よくぞやってくれましたと拍手を送りたい気持ちではあり、今までの不振をこれで一気に吹き飛ばしてくれたらなぁと思う訳ですが、でもまぁ、これを最後に花道を…という思いも致しますな。だって、もう無理でしょうし、このまま消えても誰も文句は言わないだろうし…。(ランボー、本当に大丈夫なんでしょうか…)
という訳で、1本の映画として見た場合、以前のシリーズをリアルタイムで観てきたかどうかという事が一番重要な問題になる作品で、そうでない人には単なる懐古趣味と呼ばれてもしょうがないとは思いますが、我々の世代には、心にグッと来る映画になっていまして、タマにはこういう映画も有りかと思いますね。 (★★★)
Rocky Balboa
デラックスカラー/2.35/ドルビー/DTS/SDDS/102'00"
●梅田プルク7・シアター4/当日券(¥1200)/ガラガラ(9:05からのレイトショー)

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