
イナゴの大群と言えば、ホラー映画ファンは真っ先に『エクソシスト2』を思い起こしてしまう訳ですが、オープニング・シーンでチリかどっかで発生した奇病の実態を描いたシーンを観たら、「もしかしてこれは本当に『エクソシスト2』のリメイクかも…!?」とビックリしちゃいました。でも、違ったんですな。
観る前(予備知識ゼロでした…)はもっとマジメな映画かと思っていたんですが、何とこれが懐かしきオカルト風味満点の映画だった事にもビックリ。70年代に流行した“悪魔のナントカ〜”というタイプの、そんなジャンルですな。70年代に公開されていたら、間違いなく“悪魔のウンタラスンタラ…”と名付けられていたに違いないですな、きっと。
で、内容の方も、上記の『エクソシスト2』を始め、『オーメン』とか『炎の少女チャーリー』とか『悪魔が最後にやって来る!』とか『チェンジリング』とか『吸血の群れ』とか『クランスマン』とか『魔鬼雨』とか、そしてクライマックスが『悪魔の追跡』でラストが『ターミネーター』と来りゃあ、もう完全にオカルト悪魔崇拝ゲテモノ・アクション映画の集大成。ナンか、凄く懐かしい香りが漂っていました。
これから観ようと思われる方は、イナゴ少女のホラー映画と思ったら期待はずれになっちゃうので、ご注意の程を。イナゴが人間を襲うシーンは確かにあるんですが、それ以上に上記の『吸血の群れ』(別名『マグノリア』とも…笑)や『未知との遭遇』みたいなシーンの方が強烈だし、『十戒』のような聖書の勉強に最適なシーンもあるし、とにかくこの世に神は居なくて、いるのは人間と悪魔と悪いヤツだけという現実を実感させてくれるという点で、評価してあげないといけない映画だと思いますね。好きか嫌いかと尋ねられると、「好き」な映画には違いありませんが、だからといって、何度も繰り返して観るような映画でもありませんな。オチを知ってしまった以上、一度で十分でしょう。オスカーを2度も取った女優が、こんな映画に出る事自体が“奇跡”なんですが、その奇跡が神の行いなのか悪魔の仕業なのか、その答えは、映画の中に隠されておりますな。(★★★)
The Reaping
テクニカラー/パナヴィジョン(カメラ&レンズ)=2.35/ドルビー/DTS/SDDS/99'13"
●なんばパークスシネマ・シアター1/タダ券/約30人(15:25からの3回目)

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